都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

2019-01-01から1年間の記事一覧

群発頭痛の鍼治療で使う経穴は?

本日は、鍼治療の報告を。 先日、当院に頭痛を訴える患者さんが来られました。 眼の奥が絞られるように痛くて、20代の頃からある(現在40代)。 嘔吐すると症状が軽くなる。 閃輝暗点などの前兆症状はなし。 暗いところでじっとしていても治まらない。 肩こり…

頚髄症の方が求めること

本日は、変形性頚髄症患者さんが、回復に求める優先順位について。 Davies B, et al. Recovery priorities in degenerative cervical myelopathy: a cross-sectional survey of an international, online community of patients. BMJ Open. 2019 Oct 10;9(10…

胆嚢癌のリスクファクターについて

本日は、胆のう癌のリスクファクターについて。 遠藤格、他.胆嚢癌の疫学とリスクファクター.胆道.2019;33(2):234-243. 胆嚢癌の早期がん(T1)での5年生存率は、ほぼ100%だが、無症状のことが多く、気付かれにくい。 進行がん(ステージⅢ・Ⅳ)での5年生…

下肢の帯状疱疹

本日は、下肢に発生した帯状疱疹について。 先日、下肢の湿疹を相談され、帯状疱疹の可能性よりも他の疾患のように思ったのですが、病院では帯状疱疹と診断され、まだまだ勉強不足だと認識したので調べてみました。 症例報告をいくつか集めました。 Sheibani…

熱傷に対する鍼治療

本日は、熱傷に対する鍼治療の効果について。 私も、褥瘡や低温熱傷に対する鍼治療を行っていますが、それとは少し機序が異なる熱傷(火傷)です。 Loskotova A, et al. The use of acupuncture in first aid of burns-clinical report. Burns.2017 Dec;43(8):…

ギラン・バレー症候群の先行感染は何がある?

本日は、ギラン・バレー症候群について。 ギラン・バレー症候群は先行感染が起こることが多いのは有名ですが、感染の原因菌について私はあまり知らない。 私が過去に経験したギラン・バレー症候群の患者さん8例程度ですが、「風邪」の後と答える方が多くて、…

雷鳴様頭痛の症例報告

本日は、危険な頭痛の1つである可逆性脳血管攣縮症候群の症例報告を読みました。 雷鳴様頭痛の中には、くも膜下出血や今回の可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)などが属します。 Ji JY, et al. Reversible cerebral vasoconstriction with thnuderclap heada…

bow-hunter症候群について

本日は、bow-hunter症候群について。 先日、当院に肩こり・首コリを主訴に来院されている方が、数日前にめまいが起きたと言われる。 話を聞くと、臥位になった際や座位時に右側を向くとめまい誘発。左側回旋では起きない。 前屈みでは起きない。 めまいは正…

施術部位になる?

本日は、最近思ったことなので、全く根拠のないことです。 循環器系疾患の徴候と灸治療について、考えています。 まずは、そう思ったきっかけの論文などを紹介。 Galassi FM, et al. Palaeopathology of the earlobe crease (Frank's sign): New insights fr…

脊椎関節炎の問診精度

腰痛を引き起こす疾患の1つに脊椎関節炎(Spondyloarthropathy)があります。 以前もブログ内で取り上げています。 https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/10/10/074436 以前は脊椎関節炎は、強直性・乾癬性・反応性・炎症性腸疾患関連性などに分けられ…

馬尾腫瘍について

本日は、馬尾腫瘍の特徴は? 村岡智也、他.馬尾腫瘍の臨床像の検討.整形外科と災害外科.2000;49(3):708-711. 脊髄腫瘍のうち、馬尾部に腫瘍がある場合を、馬尾腫瘍と総称する。 症状としては、初期は腰痛・下肢痛などの神経根刺激症状が主体となり、腰…

髄膜炎の身体所見

本日は、髄膜炎の身体所見について。 以前も書いています。 「髄膜炎の診断特性」 https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/06/11/060000 髄膜炎は、発症原因となる起因菌で 細菌性髄膜炎 結核性髄膜炎 真菌性髄膜炎 ウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎) に…

1例報告の書き方

本日は、1例報告の論文を書くときに参考となるものです。 ランダム化比較試験(RCT)がエビデンスレベルが高くて価値があるけど、1例報告はエビデンスレベルも低くて価値が低い。 そんな風潮がありますが、 多数例の症例報告もRCTも症例の積み重ねであり、1例…

逆流性食道炎の原因となりうる食道裂孔ヘルニア

本日は、食道裂孔ヘルニアについてです。 以前も取り上げています。 「胃食道逆流症の疫学とリスク因子」 https://blog.hatena.ne.jp/ararepyon/ararepyon.hatenablog.com/edit?entry=17680117127174154239 その中で、リスク因子として食道裂孔ヘルニアがあ…

おしっこの色が変?

本日は、尿の色に関する報告をまとめていきます。 昔、尿道カテーテルを留置していた入院患者さんの尿バッグの色が紫色をしていて、その時に知ったのですが、そーいうことがあるのか?と驚いた印象を覚えています。 正常尿 血尿 ビリルビン尿 ミオグロビン尿…

良性発作性頭位めまい症に関する最近の報告

本日は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)についてです。 以前も取り上げていますので、参考にしてください。 ・良性発作性頭位めまい症の総説 https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/05/27/163120 ・中枢性めまいの2症例 https://ararepyon.hatenablog.…

緊急搬送される人はどれか?

先日、SNSでこんな写真をみつけました。 3人のバイタルサインから、一番緊急搬送の可能性が高いのはどれか? といったもののようです。 緊急搬送とはいかなくても、患者さんが「今日は熱がある」などと言われ、病院受診を促すべきか、様子をみても大丈夫なの…

自然気胸について

本日は、自然気胸について。 最近の文献は見つけられず、古いのばかりですが。 以前は月経関連の気胸について書いています。 「月経随伴性気胸」 https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/08/30/082310 笹野進、他.自然気胸163症例(182回治療)の臨床的…

気象病(天気痛)について。

約10年前に大学の卒論で「気象病について」の卒論を書きました。 それ以降、あまり調べてはいなかったのですが、久しぶりに読んでみました。 Fagerlund AJ, et al. Blame it in the weather? The association between pain in fibromyalgia, relative humaid…

ドケルバン病の身体所見

本日は、たまーにみかけるドケルバン(de Quervain) 病について。 手関節痛をきたすいくつかの疾患の中で、狭窄性腱鞘炎に分類されます。 狭窄性腱鞘炎は、腱鞘の退行性病変や滑膜炎による腱鞘の口径が狭くなり、腱がスムーズに動けないために、痛みや腫れを…

外反母趾に対するテーピングの症例報告

本日は、外反母趾を呈した女性にテーピングでの施術を行った1例報告です。 Lee SM, et al. Effects of balance taping using kinesiology tape in a patient with moderate hallux valgus: A case report. Medicine (Baltimore). 2016 Nov; 95(46): e5357. …

浮き趾について

本日は、浮き指(浮き趾)についてです。 先日は、陸上をしている10歳の子が来られましたが、足をみると浮き指でした。 浮き指は、足趾が床面に接地していないことを指す。 浮き指になると、どんな健康被害が生じるのか?または身体的不具合が発生するのか?な…

にきび(痤瘡)について

本日は、ニキビについてです。 尋常性痤瘡・アクネなどとも呼ばれます。 林伸和.ニキビの発症メカニズム、治療、予防.日香粧会誌.2016;40(1):12-19. ニキビは90%以上の人が経験する一般的な皮膚疾患。 毛包脂腺系の慢性炎症性疾患の位置づけ。 思春期…

歯ぎしりについて。

本日は、歯ぎしりについてです。 実は、私も歯ぎしりをします。 でもあまり調べたことがなかったので、調べてみると、睡眠時の歯ぎしりを 英語では、「Sleep bruxism」とかってなるようです。 「bruxism」だけだと睡眠時ではなく覚醒時の噛みしめとかになる…

偽痛風について

本日は膠原病のなかの偽痛風について。 どこに痛みが出やすいかを調べた報告です(古い報告ですが)。 現在もそんなに変わっていないと思います。 Fam AG, et al. Clinical and roentgenographic aspects of pseudogout: a study of 50 cases and a review.Can…

仙腸関節の痛みについて

本日は、仙腸関節痛に関する二次文献から。 村上栄一.仙腸関節由来の腰痛.日本腰痛会誌.2007;13(1):40-47. 仙腸関節由来の痛みは、20世紀初頭にGoldthwaitらが提唱した。 Goldthwait JE, et al. A consideration of the pelvic articulations from an …

美顔の評価方法となりうるか?

本日は、ある報告で使われていた、FACE-Q scoreというものに注目してみました。 知らなかったのですが、いくつかの論文で使用されているようです。 Andrea L, et al. Devolopment and psychometric evaluation of the FACE-Q satisfaction with apperance sc…

妊娠初期はいろんなことが心配になる

本日は、妊娠初期に起こる身体的変化についての報告です。 気になるんだけど、産婦人科の先生に聞けないなどの悩みもあるようです。 鍼灸師の先生がたが、こうした妊娠初期の方を診る機会があれば、こうした症状はないか?などを聞いて、安心して出産に臨ん…

顔面神経麻痺と電気刺激

顔面神経麻痺に電気刺激はしてはいけない。 そんな意見があります。 そうした意見の根拠となっている報告(原著ではありません)を本日は扱います。 本当にいけないのか? なぜ、いけないのか? をしっかりと考えないといけません。 柏森良二.顔面神経麻痺の…

肩の身体所見の精度

本日は、肩の痛みについてです。 Evaluation of shoulder pain. J Fam Pract. 2002 Jul; 51(7): 605-11. 肩関節痛の頻度 回旋腱板の損傷: 48-72% 癒着性関節包炎: 16-22% 急性滑液包炎: 17% 石灰化性腱炎: 6% 筋筋膜性疼痛症候群: 5% 変形性関節症: 2.5% 胸…