施術部位になる?
本日は、最近思ったことなので、全く根拠のないことです。
循環器系疾患の徴候と灸治療について、考えています。
まずは、そう思ったきっかけの論文などを紹介。
Galassi FM, et al. Palaeopathology of the earlobe crease (Frank's sign): New insights from renaissance art. Int J Cardiol. 2017 Jun 1;236:82-84.
耳たぶのしわの古病理学(フランクサイン):ルネッサンス芸術からの新しい洞察
耳たぶのシワは、1973年にSonders T. Frankによって提唱された。
耳の耳珠から耳介の端まで斜めに走るシワが特徴で、冠動脈疾患や末梢血管疾患など、を示唆する徴候とされています。
また脳血管系イベントを示唆する徴候としても知られています。
Nazzal S, et al. Diagonal earlobe crease (Frank's Sign): A predictor of cerebral vascular events. Am J Med. 2017 Nov;130(11):1324.e1-1324.e5.
急性期脳卒中患者212人を対象に、フランクサインの有無を調べたものでは、
78.8%(190人)にフランクサインがあり、
一過性脳虚血発作(TIA)患者の73.2%(112人)
脳血管障害患者の88.6%(78人)に認められた。
冠動脈疾患や高血圧、糖尿病は関連性はなさそう。
とされています。
こうしたフランクサインは、最も古い芸術作品として、ローマ皇帝ハドリアヌスを模した作品とされています。
作家は、アンドレア・マンテーニャ(1431-1506)。
ローマ皇帝のハドリアヌスは、映画テルマエロマエにも登場しています。
フランクサインは、片耳と両耳でも少し異なる部分もあるようです。
フランクサインと血管内皮機能(FMD)との関係を調べたものがありました。
Oda N, et al. Rekation of the bilateral earlobe crease to endothelial dysfunction. Am J Cardiol. 2017 Jun 15;119(12):1983-1988.
内皮機能不全に対する両側耳たぶシワの関係
耳たぶのしわ(ELC)と血管内皮機能(FMD)とニトログリセリンによる血管拡張作用(NID)の関係を400人調査。
Step1;ELCなし・片耳ELC・両耳ELCに分ける
Step2;3群におけるFMDとNIDを比較
結果ELCなしに比べ、片耳ELCと両耳ELCは有意にFMDもNIDも低かった。
また心血管リスクを調整後は、両耳ELCのみFMDとNIDが有意に低かった。
ELCの本数、形状、表面のしわは関係なしだった。
このように、フランクサインは血管系イベントとの関係がありそうで、
耳たぶは大耳介神経(C2-C3)が通っています。
(AJNR Am J Neuroradiol. 2000;21 Mar:568-571.)
こうしたことから、
フランクサインがある人(ない人でも?)には、耳たぶの鍼灸刺激をすれば、脳血管系・心血管系イベントの予防になるのではないか?
と考えています。
ひじょーに単純な考えですが、フランクサインが予測イベントならば、消してしまえばいいのでは?と思う単純な私。