都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。1日1つは論文を読んで、記録するためのブログです。

急性の咳とハチミツ

Review
 
2014 Dec 23;(12):CD007094.
 doi: 10.1002/14651858.CD007094.pub4.

Honey for acute cough in children

 
12ヶ月~18歳の急性咳嗽を呈した899例(6RCT)。
 
ハチミツ・デキストロメトルファン(鎮咳薬)・ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)・無治療・プラセボで咳の頻度などを比較。
 
その結果、
ハチミツは、無治療・プラセボに比べて、咳の頻度を減らす可能性あり。
ハチミツと比べデキストロメトルファンは同程度の効果の可能性あり。
ハチミツと比べジフェンヒドラミンよりも効果が高い可能性あり。
 
咳止めの薬には、中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬とがある。
中枢性は咳中枢に作用し、末梢性は気管や気管支に作用する。
また中枢性には麻薬性と非麻薬性のものがある。
咳止めの効果としては、
中枢性麻薬性>中枢性非麻薬性>末梢性鎮咳薬となる。
今回の研究で使用されたデキストロメトルファン(メジコン®)は、中枢性非麻薬性のもの。
 

結果またはサブグループのタイトル

研究数

参加者数

統計的手法

効果の大きさ

1ハチミツ対デキストロメトルファン

2

 

平均差(ランダム、95%CI)

小計のみ

1.1咳の頻度(平均改善)

2

149

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.07 [‐1.07、0.94]

1.2咳の重症度(平均改善)

2

149

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.13 [‐1.25、0.99]

1.3厄介な咳(平均改善)

1

69

平均差(ランダム、95%CI)

0.29 [‐0.56、1.14]

1.4子供の睡眠(子供の睡眠スコアに対する咳の影響)

2

149

平均差(ランダム、95%CI)

0.03 [‐1.12、1.19]

1.5両親の睡眠(両親の睡眠スコアに対する咳の影響)

2

149

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.16 [‐0.84、0.53]

1.6複合平均改善

1

69

平均差(ランダム、95%CI)

2.32 [‐1.24、5.88]

2蜂蜜対ジフェンヒドラミン

1

 

平均差(ランダム、95%CI)

小計のみ

2.1咳の頻度(平均改善)

1

80

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.57 [‐0.90、‐0.24]

2.2咳の重症度(平均改善)

1

80

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.6 [‐0.94、‐0.26]

2.3子供の睡眠(子供の睡眠スコアに対する咳の影響)

1

80

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.55 [‐0.87、‐0.23]

2.4両親の睡眠(両親の睡眠スコアに対する咳の影響)

1

80

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.48 [‐0.76、‐0.20]

3ハニー対「無治療」

2

 

平均差(ランダム、95%CI)

小計のみ

3.1咳の頻度(平均改善スコア)

2

154

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.05 [‐1.48、‐0.62]

3.2咳の重症度(平均改善)

2

154

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.03 [‐1.59、‐0.47]

3.3面倒な咳(平均改善)

1

74

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.93 [‐1.98、0.12]

3.4子供の睡眠(子供の睡眠スコアに対する咳の影響)

2

154

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.04 [‐1.57、‐0.51]

3.5両親の睡眠(両親の睡眠スコアに対する咳の影響)

2

154

平均差(ランダム、95%CI)

‐0.88 [‐1.23、‐0.52]

3.6複合平均改善

1

74

平均差(ランダム、95%CI)

‐4.31 [‐6.77、‐1.85]

4ハチミツvsプラセボ(シランナツメヤシ抽出物)

1

 

平均差(ランダム、95%CI)

小計のみ

4.1咳の頻度(平均改善スコア)

1

300

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.85 [‐3.36、‐0.33]

4.2咳の重症度(平均改善)

1

300

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.83 [‐3.32、‐0.34]

4.3面倒な咳(平均改善)の軽減

1

300

平均差(ランダム、95%CI)

‐2.08 [‐3.97、‐0.19]

4.4子供の睡眠(子供の睡眠スコアに対する咳の影響)

1

300

平均差(ランダム、95%CI)

‐1.94 [‐3.93、0.06]

4.5両親の睡眠(両親の睡眠スコアに対する咳の影響)

1

300

平均差(ランダム、95%CI)

‐2.05 [‐4.24、0.13]

 
 
ハチミツは、創傷治療や化粧品に使用されたりもする(. 2013 Feb 28;(2):CD005083.)。しかし質の高い報告はなく、本当に有用なのかは不明。
 
どうして咳にハチミツが有効なのか?
咳は、気道内の異物を除去する生体反応だが、気道内に異物などで刺激が入ると咳嗽受容器が反応し、脳の咳中枢に伝達され、咳嗽反射が誘発される。
この経路のどこかにハチミツが作用するのだろうが、詳細は不明。
ある一説では、咳中枢に作用するという意見もあるよう。
 
また12か月未満の乳児には、ボツリヌス菌は摂取させない方がいいとされていることに注意。
また今回の結果は、あくまで子供を対象としたもので、大人の咳嗽にハチミツ単体が有効とする報告はまだない。
 
大人を対象とした、コーヒーにハチミツを入れた場合の報告はある(Prim Care Respir J2013 Sep;22(3):325-30.)
男性97名(平均年齢40.1歳)を対象に、8時間ごとに1週間、コーヒー+ハチミツを飲む。
その前後の咳の調査で、プレドニゾロンやジャムに比べて効果があったとしている。
 

全身の触覚神経の支配密度

2020 Sep 23.
 doi: 10.1152/jn.00313.2020. Online ahead of print.

Tactile innervation densities across the whole body

 
物に触れる、冷たい、熱いなどの感覚は触覚や温冷覚などになり、それぞれの感知する受容器が異なる。
 
触覚に関して、手は受容器の数や密度が多いことは調べられているが、全身に分布する数や密度は不明確。
 
いくつかの報告をもとに、推定値をだした。
 
その結果、若年成人の触覚受容器は約230.000(200.000~270.000)。
10年加齢ごとに、5~8%減少していく。
 
密度は、
手掌(15%を占める)や顔(19%を占める)に多く、体幹や下肢は少ない。
さまざまな求心性クラスに対する人間の手の掌側表面の神経支配。 色は異なる神経支配密度(単位/ cm2)を示します。 各手の領域は、その神経支配密度によってスケーリングされ、手の「ホムンクルス」を明らかにします。 SAIとFAIの両方の繊維は、指先の遠位端に密に詰まっており、手のひらにはそれほど密集していませんが、他の2つの求心性クラスは手全体に均等に広がり、全体的にはるかに低い神経支配密度を示します。人間の足の裏側表面全体のさまざまな求心性クラスの神経支配密度(単位/ cm2)。 手と比較して、足の裏は神経支配がはるかに少ないですが、I型求心性神経に対して同様の近位-遠位勾配を示します。 さらに、側方アーチの密な神経支配により、側方勾配が明らかです。
また速順応型;SAは分布で数が異なるが、遅順応性;RAは
手掌以外ではほぼ同じ。
全身のさまざまな皮膚領域に対する、順応の速い(赤)求心性神経と順応の遅い(青)求心性神経(タイプIとタイプIIの両方の求心性神経を含む)の総触覚神経支配密度。 手と顔は最も密に神経支配されている領域です。 速く順応する繊維とゆっくりと順応する繊維の比率は一定ではありませんが、皮膚の領域によって異なります。

 

 
 
こうした分布と脳の機能局在には弱い相関がみられた。しかし、手と顔についてはこれだけでは説明できない部分がある。
 

さまざまな身体部分の皮質体性感覚のサイズと、その領域を神経支配する触覚線維の総数の推定値。神経支配だけでは皮質表現を説明することはできません。数字は単一の脳半球を指します

さまざまな身体部分の皮質体性感覚表現のサイズと、その領域を神経支配する触覚線維の総数の推定値。 神経支配だけでは皮質表現を説明することはできません。 数字は単一の脳半球を指します。
二点識別;SAⅠと二点識別には強い相関あり。
異なる身体領域の2点弁別タスクによって評価されたSAI終了部位と知覚触覚の鋭敏さの間の推定間隔(50)。 身体領域の触覚神経支配と触覚刺激を空間的に区別する私たちの能力の間には強い関係があります。
 
皮膚は人体で最大の感覚器(臓器)であり、まだまだ未知なる世界。

耳鳴りと迷走神経刺激

2020 Sep 17;11:570196.
 doi: 10.3389/fpsyg.2020.570196. eCollection 2020.

Stress and Tinnitus; Transcutaneous Auricular Vagal Nerve Stimulation Attenuates Tinnitus-Triggered Stress Reaction

 
耳鳴りによるストレスで、副交感神経の低下が起こり、睡眠障害、不安、うつなどを併発することがある。
経皮的迷走神経刺激(taVNS)は、耳鳴りによるストレスを軽減するか?また安全性は?を検証
 
対象は、171名の患者(女性67人、男性104人、平均年齢49歳、範囲17〜84人)。
 
耳鳴り評価(THI)や心拍評価(HRV)などを行った。
 
耳鳴りの原因;
47%が音響の過剰刺激(NIH)によるもの。このうち1/3は音楽関連過剰刺激によるものだった。
その他は、自己申告によるストレス6%、中耳炎4%、飛行機での旅行など2%、原因不明は40%だった。
急性(3ヶ月未満)耳鳴り約15%、亜急性約20%、慢性2/3だった。
 
An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is fpsyg-11-570196-g001.jpg
 
平均THI値は55点
耳鳴りと睡眠障害(92%)と不安(96%)に関連があった。
睡眠障害があると答えた57%・不安があると答えた54%が重度であった。
1/3はうつの既往があった。
 
An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is fpsyg-11-570196-g002.jpg
 
taVNSの方法;
左耳の耳たぶは迷走神経が通ってないので、耳珠にクリップ電極を設置し、周波数25Hz、0.3-3.0mA、15-60分の連続刺激を行った。
Positioning of the tVNS electrodes in the active (left) and in the... |  Download Scientific Diagram
上記はイメージ画像 
 
刺激前後におけるHRVで異常は報告されなかった。
 
その後113名が1年間追跡を受け、
A) 113人の患者の1年間の追跡結果の結果。耳鳴りの不快感は72%減少し、耳鳴りによって引き起こされるストレスは82%減少。症状は2%増加しました。(B)患者の76%が、taVNSを含むTCPT治療の恩恵を受けたと報告しました。同様の健康上の問題に苦しんでいる場合、41%が友人や親戚にTCPTとtaVNStを推奨し、52%が推奨する可能性があります。(C)治療の構成要素のうち、カウンセリングが最も有用であると報告され(1〜5の範囲のスコア3.4)、次にtaVNS(3.1)および健全な治療(2.8)が続きました
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はfpsyg-11-570196-g005.jpgです。
 
耳鳴りとストレスの筆者の考察;
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はfpsyg-11-570196-g006.jpgです。
(A)仮説の要約。騒音曝露(最も一般的には音楽)は、85%を超える患者で蝸牛の高周波(> 6.0 kHz)領域で機能障害/損傷を引き起こします。これにより、最も一般的には約8.0kHzの高音の耳鳴りが発生します。損傷した蝸牛領域から聴覚皮質への生体電気インパルスの流れは減少または停止します。これにより、(抑制性)調節が低下し、その後、中枢聴覚経路、最初は脳幹の聴覚核、後には聴覚皮質でニューロンの活動亢進が起こります。通常の(自発的な)アルファ活動(EEG)はガンマ活動に変わります。中枢聴覚経路は、大脳辺縁系(感情を制御する)と密接に関連しています。耳鳴りは、不確実性や恐れを含む感情的に否定的な感覚として経験されます。それにより、知覚(聴覚)ネットワークは苦痛ネットワーク(ストレス)に接続されます。ストレッサーは、交感神経系の活動亢進(飛行または戦いまたは凍結反応)を伴う自律神経系(CAN)の不均衡を引き起こし、それに応じて副交感神経系(PNS)の活動を低下させます。(B)迷走神経はPNSの主要なプレーヤーです。したがって、迷走神経系の活性化は、PNS活動を増加させます。taVNSには、耳珠に挿入されたイヤークリップ電極を使用し、ABVNを電気的に刺激する特別に設計されたSalustimデバイスを使用しました。taVNSは、辺縁系の交感神経活動亢進と副交感神経方向へのCANの不均衡を逆転させます。苦痛の軽減はまた、聴覚中枢経路におけるガンマ活動亢進の正常なアルファ活動への逆転を促進します。
 
迷走神経刺激により、耳鳴りに伴うストレスは心臓への負担もなく安全に行える。
とのこと。しかし、今回の研究はコホート研究であるため、今後はRCTなどでの結果が待たれる。
 

免疫力アップのエビデンス

Harvard Health Publishing Logo

https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/how-to-boost-your-immune-system

 

How to boost your immune system

免疫力向上の方法:現時点のエビデンスはどこまである?

 

感染が成立するには、

1.感染源(微生物)の存在

2.感染経路;接触感染・空気感染・飛沫感染・血液媒介感染など

3.宿主

の3つがそろわないといけない。

反対にいえば、この3つのうち1つでも除去できれば感染しないということ。

 

仮に3項目がそろったからといって感染症状が100%出現とはならない。

なぜなら、免疫力があるから。

 

感染症の対策は、感染の3項目の対策と免疫力向上が必要となる。

今回は、免疫力を向上させると言われているもののエビデンスがどの程度あるのか?

について。

 

最初に重要なのは、免疫力を上げると一言でいっても、これを科学的な検証で裏付けるのは非常に難しいということで、現時点でエビデンスがないからといって、有効ではないということではない。

 

次に大切なのは、免疫に関わるピースの変化が、免疫力アップにつながるとは限らないということ。

例えば、好中球が増えたから免疫力アップになるとは限らない。

G-CSF製剤;顆粒球コロニー形成刺激因子製剤

という薬剤は好中球を増やして、機能を底上げする効果があり、特定の感染症に有効とされる。

しかし、感染症全般には効果がない。

薬剤の場合、免疫力を上げるよりも、下げる方が得意(ステロイド免疫抑制剤など)。

グランシリンジ75 | 協和キリン医療関係者向け情報サイト 協和キリンメディカルサイト

このように、特定の免疫細胞だけ、数を増やしたりしても、感染症には有効ではないことが多い。

またアスリートが、血液ドーピングと言われる血球の数を増やしてパフォーマンスを上げる方法では、将来の脳卒中リスクが高まるともされている。

これは、免疫は単一の働きではなく、システムとして機能するためにある。

これが難しくしている要因でもあり、巷にはびこる偽情報ともつながる。

 

 

今回は、加齢、食事、ストレス、寒さ、運動に関する免疫のエビデンスを整理

 

免疫と年齢;

加齢に伴い免疫力が低下するが、その理由までは不明(おそらく胸腺が萎縮し、T細胞が低下すると示唆されている)。

こうしたことから感染症への罹患率・死亡率も高齢の方が高い。

さらにワクチンの効果も年代で変わる。

インフルエンザワクチンでは、

2歳の健康な子供と65歳以上では、65歳以上のワクチン効果は低いとされている。

 

米国予防接種諮問委員会の報告では、

インフルエンザのワクチン株と流行株が一致している場合、

65歳以下の健康成人の発症予防効果:70-90%

自宅で生活している60歳以上の発症予防効果:約58%

とされている。

高齢になるほどワクチン接種による予防効果は低くなるが、だからといって受けなくても大丈夫ということではない。

 

食事;

発展途上国では、栄養失調の方が感染症に罹患しやすい(しかしなぜかは不明)ことから分かるように、栄養は大切。

先進国でも、微量元素栄養失調(亜鉛、セレン、鉄、銅、葉酸、ビタミンA、B6、C、Eなどの欠乏)が多く、そのため感染症に対する免疫が弱いことがある。

これまでの研究から、こうした微量元素の欠乏が免疫反応に変化を起こすことは動物実験で分かっている。しかし、免疫反応の変化がどのような健康に害をなすのか?はまだ分かっていない。また、ヒトにおいても同様の反応が起こるのか?は分かっていない。

 

単一のサプリメントを大量に摂取してもあまり効果はないかもしれない。それよりかはマルチサプリメントの方が可能性は高い。

 

ストレス;

心と体には密接な関係があり、ストレスからくる精神病やじんましん、胃腸障害、心臓病などがある。

ストレスと免疫の関係を調査することは非常に難しい。

ある人にとってストレスに感じることが、別の人には幸福に感じるかもしれないといった問題がある。こうしたことから、ストレスとの因果関係を証明することは難しい。

 

寒さ:

南極大陸では風邪をひかないと言われるように、寒さと免疫には関係がある。と考える人がいる。

その他、雨に濡れると風邪をひくともいわれる。

しかし、雨に濡れただけでは風邪はひかないし、寒いだけでは風邪はひかない。

最初に書いた感染の3要素がそろわないといけない。

寒いと屋内で生活することが多くなる⇒屋内で人が密集し、ひとを介した感染が発生しやすい⇒寒いと空気も乾燥し、ウイルスの水分も蒸発し軽くなり、拡散しやすい状態になり、風邪をひきやすくなる。といったようなこと。

こうした課題を何百と行い結果を出したカナダの研究者は、

中等度の寒冷暴露では、免疫には異常はない。としている。

 

運動;

運動は健康にとって有益なものである。

また運動前後にいくつかの免疫反応に変化があることも報告されているが、現時点ではこの反応の変化が意味するところが分かっていない。

 

このように、多くの項目に対して、分かっていないことが多いのが現代。

誇張された宣伝や広告は制限されるべきかもしれない。

 

 

 

 

ビスホスホネートなどの薬剤の選択

Meta-Analysis
 
2008 Feb 5;148(3):197-213.
 doi: 10.7326/0003-4819-148-3-200802050-00198. Epub 2007 Dec 17.

Systematic review: comparative effectiveness of treatments to prevent fractures in men and women with low bone density or osteoporosis

 
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版より;
A:上昇効果がある B:上昇するという報告あり C:上昇するという報告なし
骨粗鬆症|内分泌代謝専門医が患者さんに向けてくわしく説明します|たまき青空病院|徳島市国府町
この元データの結果が以下のもの
 
脊椎骨折と薬剤の解析結果;
 
非脊椎骨折の薬剤効果;
 
大腿骨近位部骨折の薬剤効果;
 
ビスホスホネートは、骨の吸収抑制薬で骨密度を高める薬剤。
先日のブログでも紹介したTheNNTにおいても、
骨折既往のある骨密度の低い閉経後の女性を対象としたビスホスホネートのNNTは、
脊椎骨折の予防効果:NNT=20
大腿骨近位部骨折の予防効果:NNT=100
NNH:少数に副作用が現れたが、詳細な報告はない
とされた。
しかし、骨折機能のない閉経後の女性を対象にした場合、
3年間の投薬で骨折予防効果は得られなかったとする報告もある。
 
閉経後の女性のすべてに投薬を行う必要はなく、
どんな方に投与するのか?の基準が必要で、
その指標の1つにFRAX®(Fracture Risk Assessment Tool)が役に立ちます。
骨折リスク評価(FRAX)ツール|大和市の健康診断、各種検診、にれファミリークリニック

https://www.sheffield.ac.uk/FRAX/index.aspx?lang=jp

 

10年後の大腿骨骨折リスクと主要な骨粗鬆症骨折リスクが評価できるもの。

Frax®にて、

主要な骨粗鬆症性骨折10年リスクが15%

もしくは、

大腿骨近位部骨折リスクが3%以上

で投薬治療を検討することが基準になる。

迷走神経と脳伝達物質

2015 Feb 10;6:102.
 doi: 10.3389/fpsyg.2015.00102. eCollection 2015.

Transcutaneous Vagal Nerve Stimulation (tVNS): a new neuromodulation tool in healthy humans?

 
 経皮的迷走神経刺激:tVNS
 
左は耳珠近くに電極を設置し刺激する方法
右は迷走神経のない耳たぶの中心に電極を設置する。
右はfMRIにて脳の変化が起きない。
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てんかんうつ病の治療に使用されることがある。
 
迷走神経の刺激で、ノルエピネフリン・GABA・アセチルコリンに影響する。
 
ノルエピネフリン~迷走神経⇒青斑核⇒ノルエピネフリン扁桃体や海馬とも連結
刺激強度依存性であり、刺激が中止されるとベースラインに速やかに戻る。
 
GABA~脳脊髄液中のGABAが増加する
GABA作動性ニューロンが、海馬や扁桃体のノルエピネフリン調節をする。
 
アセチルコリン~エンドトキシンによる全身炎症反応を弱める
また、運動制御などにもかかわる。
 
 
 
 

サプリとしてGABAは有効?

Review
 
2015 Oct 6;6:1520.
 doi: 10.3389/fpsyg.2015.01520. eCollection 2015.

Neurotransmitters as food supplements: the effects of GABA on brain and behavior

 
不安障害の詳細な原因は不明だが、セロトニンノルアドレナリン・GABAが関与するとされる。
GABA(ガンマアミノ酪酸)を食品として摂取することは、不安障害の改善に寄与するのか?
 GABAは、脳の神経伝達物質として、抑制系として作用。
 
食品サプリとして、不安軽減や睡眠改善に効果があると感じる消費者は多い。しかしその一方で、長い間、GABAの食品摂取は、血液脳関門を通過できないと考えられていた。そのためGABAサプリはプラセボ効果とされていた。
 
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はfpsyg-06-01520-g0001.jpgです。
 これまでの研究では、初期はGABAは血液脳関門を突破できないというものでしたが、その後通過するという反する結果がでてきた。
投与方法の違いや動物研究の種類の違いなども示唆されているが、血液脳関門にはGABAを輸送するトランスポーターが発見された(動物において)。
ヒトにおいてGABAが血液脳関門を通過するという証拠はない。
 
近年では、プラセボ対照試験において、高所恐怖症・心理的ストレス環境下での算術などでGABAサプリ摂取群に良好な結果が得られたとしている。
注意事項として、1つはGABAサプリ会社の報告であったり、利益相反の記載がない報告であることが指摘されている。
 
血液脳関門をGABAが通過するか不明だが、別の仮説として腸管神経系を介した可能性が示唆されている。
迷走神経刺激により脳脊髄液のGABA濃度が増加するなどの報告があり、こうしたことから脳にも影響を与える可能性があるとされているよう。さらなる研究が必要。
 
このレビューでは、GABAサプリが人において有益かどうかは分からないというものです。