都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

スナップ音を伴う股関節痛

Review

Snapping Hip Syndrome

In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan.
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文献としての質は低いかもしれませんが、他に見つけられなかったので、この文献を参照しました。
 
Snapping Hip syndrome⇒弾発股症候群
股関節の動きで、スナップ音(ごりっ・ポキッなどの音が鳴る)が認められ、痛みを伴うこともある。
最も多い原因は、股関節の使いすぎによるもの。その他として大殿筋の筋肉注射や外科的処置によるもの。
有病率は、人口の5-10%程度とされ、大多数は痛みは伴わず、女性の方がやや多い。
スポーツ選手に多く、バレエやサッカーなどで多い。
バレエでは、90%が経験するとされ、その多くは両側性。
 
Snapping Hip syndromeの病因;
股関節前方部の異常を呈することが多い。
関節内:関節唇の損傷によるものが多い
関節外:筋・腱の異常(ハムストリングス・殿筋・腸腰筋など)
⇒股関節の動きで、これらの摩擦などが起こり、スナップ音(クリック音)が起こる。
 
大転子滑液包炎や腸脛靭帯の炎症を誘発している場合があるため、
側臥位で大転子が床に当たると痛みが起こるか?
Oberテスト(腸脛靭帯症候群のテスト)
などを確認する。
 
単純X線写真は、あまり役にたたないが、他の疾患の除外には使える。
 
基本的に、痛みがない場合は、治療の必要はないとされる。
痛みが伴う場合は、保存的治療として、安静・ストレッチ・ステロイド理学療法などが行われる。
 
 
患者さんは、股関節の亜脱臼を起こしたという感覚になることもあるとのこと。
私はまだ、経験がないが、似た現象として、
ラソン中に、内転筋群の痙攣が起こった瞬間に、股関節の脱臼を起こしたと一瞬思った経験があります。
 
じっくりと話を聞いて、股関節を動かし、スナップ音の確認と同時に、痛みを伴うかの確認がまずは必要。