都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

膝の痛み;4ルール

2020 Jan 30;4(2):11765.

The Rules of Four: A Systematic Approach to Diagnosing Common Musculoskeletal Conditions of the Knee

 
筋骨格系症状として、膝の痛みを訴える方は多い。
しかし、新卒の医師において、膝の痛みを正確に診る自信がないと答えたのは78-82%という報告がある。
 
そこで、体系的に膝の診かたをまとめた「rules of four」を紹介する。
 
まずは、
膝を、内側・正中・外側と靭帯の4つに分割し、それぞれ4つの観察ポイントを探す。
 
内側;
A:内側側副靭帯(MCL)の損傷~圧痛・外反ストレステスト
B:内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)の損傷~膝蓋が内側に脱臼したり、不安定になるとこの部位に圧痛がある。また足首が外反していると膝への負担から圧痛がでることがあり、肥大した滑膜やプリカ(滑膜ヒダ:滑膜タナ)があることもある。
C:内側関節裂隙~この部位の圧痛は大きく2つの意味がある。変形性関節症と内側半月板断裂。膝マクマレーテストが有用。
D:鷲足炎
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正中;
大腿四頭筋腱断裂、大腿四頭筋腱炎、膝蓋骨骨折、膝蓋前滑液包炎、膝蓋大腿痛症候群、膝蓋大腿腱炎、シンディング・ラーセン・ヨハンソン症候群、オスグッド・シュラッター病。
 
A;大腿四頭筋腱炎、断裂の圧痛⇒膝の伸展が完全にできるかを確認
B;この部位の圧痛は、膝蓋骨骨折や膝蓋前滑液包炎の可能性
C;膝の伸展位で行う。この部位の圧痛は運動選手で多く、ジャンパー膝(膝蓋骨腱炎)や膝蓋骨アポフィジス炎(シンディング・ラーセン・ヨハンソン症候群)の可能性あり。
内・外膝眼穴あたりも圧痛の有無を確認する
D;脛骨粗面。この部位の圧痛は、剥離骨折やオスグット・シュラッター病の可能性あり。どちらも青年期の運動選手に多い。
 
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外側;腸脛靭帯症候群(ITバンド症候群)、膝蓋骨の不安定性、外側半月板損傷、変形性関節症、近位腓骨骨折(すなわち、メゾヌーブ骨折)、および近位腸脛靭帯脱臼。最近の重大な膝の外傷の病歴も、外側脛骨プラトー骨折を示唆している可能性がありますが、内側関節線の痛みと同様に、これは外側膝の痛みの一般的な原因ではありません。
 
A;こお部位の圧痛はITバンド症候群を疑う、自転車やランナーに多い。疑いがある場合はノーブル検査を行う。
B;膝の不安定。
C;想定される主な疾患は、外側半月板損傷と変形性関節症。
膝を90度の屈曲して、外側関節裂隙を確認する。この部位に圧痛があると疑う。
D;腓骨骨折や脱臼の疑い
 
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靭帯;前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)、内側側副靭帯(MCL)、および外側側副靭帯(LCL
 
両側で確認すること。
ACL;ラックマンテストを推奨(その他のテストは精度が低い)
PCL;後方引き出しテスト
MCL;外反ストレステスト
LCL;内反ストレステスト
 
写真やイラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はsmrj_2020_4_2_11765_28835.jpgです。