2021-03-04 突発性難聴の予後 まずは、突発性難聴の発症数から、 Acta Otolaryngol . 2007 Dec;127(12):1259-65. doi: 10.1080/00016480701242410. Thirty-year trends in sudden deafness from four nationwide epidemiological surveys in Japan Masaaki Teranishi 1, Naomi Katayama, Yasue Uchida, Mitsuo Tominaga, Tsutomu Nakashima 日本の疫学調査をまとめたもので、 発症数は増加傾向を示し、年齢のピークが高齢に向かっている。 突発性難聴の予後; 大まかに3タイプあり、回復する例・部分的な回復例・不変例となる。 このどれになるかは、判断が難しいが、参考となる予後データがいくつかある。 発症時(初診時)の聴力が悪ければ悪いほど回復しにくい;Audiol Jpn.2000;43:98-103. 治療開始が、発症から4週間経過した例は回復しにくい;Audiol Jpn.2004;47:101-8. 低音障害型は高音障害型より治りやすい めまいがない例は、ある例より治りやすい⇒めまいがあると聴力も悪くなることが多いので、めまい単独での予後判定の意味は小さい ;Laryngoscope.1993;103:1145-9. 予後不良因子は、40歳以上・治療開始が発症から8日以上・初診時聴力レベルが60db未満、もしくは80db以上・高低音差が0以上・めまいの有無と予後は関係なし;Audiology Japan 43, 89~92, 2000 高齢者は予後はやや悪い 耳鳴りは予後と関係しない;Audiol Jpn.1999;42:710-6. その一方で、耳鳴りがない方が、ある方と比べて予後が悪い などが報告されているよう。