都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

突発性難聴の予後

まずは、突発性難聴の発症数から、

2007 Dec;127(12):1259-65.
 doi: 10.1080/00016480701242410.

Thirty-year trends in sudden deafness from four nationwide epidemiological surveys in Japan

日本の疫学調査をまとめたもので、
発症数は増加傾向を示し、年齢のピークが高齢に向かっている。

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突発性難聴の予後;
大まかに3タイプあり、回復する例・部分的な回復例・不変例となる。
このどれになるかは、判断が難しいが、参考となる予後データがいくつかある。
 
発症時(初診時)の聴力が悪ければ悪いほど回復しにくい;Audiol Jpn.2000;43:98-103.
 
治療開始が、発症から4週間経過した例は回復しにくい;Audiol Jpn.2004;47:101-8.
 
低音障害型は高音障害型より治りやすい
めまいがない例は、ある例より治りやすい⇒めまいがあると聴力も悪くなることが多いので、めまい単独での予後判定の意味は小さい
;Laryngoscope.1993;103:1145-9.
 
予後不良因子は、40歳以上・治療開始が発症から8日以上・初診時聴力レベルが60db未満、もしくは80db以上・高低音差が0以上・めまいの有無と予後は関係なし;Audiology Japan 43, 89~92, 2000
 
高齢者は予後はやや悪い
 
耳鳴りは予後と関係しない;Audiol Jpn.1999;42:710-6.
その一方で、耳鳴りがない方が、ある方と比べて予後が悪い
 
などが報告されているよう。