子どもの起立性調節障害について
地域医療支援病院耳鼻咽喉科における小児めまいの臨床統計
藤田 信哉 1,2),成尾 一彦 3),山中 敏彰 2),北原 糺 2)
小児耳 2018; 39 (3): 297–302.
15歳以下の小児のめまい72例を分析
上位3疾患は、
起立性調節障害:22例(30.6%)
前庭神経炎:17例(23.6%)
小児良性発作性めまい症:11例(15.3%)
だった。
このほか、片頭痛関連めまいも多く、特にこれらの疾患は6-15歳に多かった。
この4疾患で全体の76%を占めた。
小児のめまいは、
まずは危険な疾患(てんかんや中枢性めまいなど)を除外
頻度から起立性調節障害の有無(連続血圧測定など)を確認し、
頭痛があれば片頭痛関連めまいや心因性めまいを疑うし、聴力の異常や迷路障害の有無
によっては、迷路炎やメニエール病などを疑う。
子どものめまい:小児起立性調節障害を中心に
田中 英高
Equilibrium Res Vol. 71(2) 53~60,2012
起立性調節障害の症状;
大症状
A.立ちくらみ,あるいはめまいを起こしやすい
B.立っていると気持ちが悪くなる,ひどくなると倒れる
C.入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
D.少し動くと動悸あるいは息切れがする
E.朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
小症状
a.顔色が青白い
b.食欲不振
c.臍疝痛をときどき訴える
d.倦怠あるいは疲れやすい
e.頭痛
f.乗り物に酔いやすい
サブタイプ;
起立直後性低血圧
体位性頻脈症候群
神経調節性失神
遷延性起立性低血圧
などがある。
病態生理として、血管反応以外に、心理的ストレスや水分・塩分摂取不足、遺伝が挙げられている。