下肢遠位筋の運動障害を呈する疾患
先日、当院に下肢遠位筋優位の運動障害を呈する患者様が来られました。
病院で精査するも、原因の特定は出来ていない状況。
両下肢遠位筋の運動障害を呈する疾患(主訴が何かで変わってくるとは思いますが)
(感覚障害の有無や原因部位、発症様式、原因は気にせず、一覧を挙げます)
原因部位;脳・脊髄・神経根・末梢神経・筋肉
発症様式;突然発症・急性・亜急性・慢性(今回私が経験したのは、亜急性~慢性)
発症原因;血管障害、感染・炎症、腫瘍、脱髄、遺伝、加齢性、変性疾患
脳梗塞・出血、硬膜下血腫、脳動静脈奇形、
脳炎、脳膿瘍
硬膜外血腫、脊髄梗塞、解離性大動脈瘤、硬膜動静脈廔
硬膜外膿瘍、サルコイドーシス、HAM(HTLV-1関連脊髄疾患)
転移性脊髄腫瘍、脊髄腫瘍
頚椎ヘルニア、腰椎ヘルニア、脊柱管狭窄症、馬尾症候群、頚椎症、後縦靭帯骨化症
ALS
PAD(末梢動脈疾患)
ギラン・バレー症候群、血管炎、シェーグレン症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、POEMS症候群(Crow-深瀬症候群)
絞扼性ニューロパチー
薬剤性、重金属、脚気、糖尿病、尿毒症、アミロイドーシス
筋緊張性ジストロフィー、遠位型ミオパチー、封入体筋炎
一般的に、近位筋の障害は筋障害、遠位筋なら神経障害を疑うが、遠位型ミオパチーなどの例外もある。
また左右対称性ならば、代謝性疾患や遺伝性疾患、非対称性ならば血管炎や免疫異常(ギラン・バレー症候群やCIDPの一部)
かりに主訴を歩行障害とした場合は、パーキンソン病なども加わる。