都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

内臓疾患と関連痛

内臓の状態によって、体のどこかに痛み反応が現れることがあります。

これは関連痛;内臓-体性反射

脊髄で内臓からの感覚神経と皮膚からの神経が集まり、大脳皮質へ伝達される際に、脊髄の同じレベルの内臓神経痛を、中枢が皮膚からの痛覚刺激として認識するためとされています。

つまり、脳の錯覚ということになります。

ですので、痛みを訴える皮膚部位には問題はないということになります。

難しいのは、痛みの訴えが関連痛のみの場合は判断が狭まります。

 

有名な関連痛としては、

心窩部痛⇒虫垂炎

左肩痛⇒心筋梗塞

などがありますが、

これらをまとめると、

臓器 関連痛部位(皮膚分節)
心臓(心筋梗塞) 咽頭・顎・歯・肩・背中・腕の痛み
横隔膜(横隔膜膿瘍) 右肩の痛み
心臓(下壁梗塞)・虫垂(虫垂炎) 心窩部痛
急性脊椎硬膜外血腫 腹痛
上部尿管結石 下腹部痛
横隔膜 同側の肩部の皮膚
心臓 T1-5:前胸部、左の腕と手
食道 T5-6
T6-9:胸部と胸骨下領域
膵臓 T6-10:上腹部痛
肝臓・胆嚢 T7-9:心窩部痛、右肩甲骨下角
小腸 T9-10
大腸(脾彎曲部まで) T11-12
虫垂炎 心窩、臍周囲
憩室炎 陰嚢、恥骨
卵巣 T10-11:臍周囲
子宮 S1-2:腰部
前立腺 T10-12:臍周囲と鼠径部、陰茎先端と陰嚢
腎臓 T10-L1:腰部と臍部
直腸 S2-4:仙骨下部と坐骨神経(大腿上部や下腿後面)

となります。

 

痛みを訴える部位を触診にて、圧痛を訴えない場合は、関連痛や放散痛を疑います。

上記の表には記載していませんが、

首の痛みはくも膜下出血と関連します。

これも忘れないようにしたいです。