食後の運動でお腹が痛くなる
Sports Med. 2015; 45: 23–35.
Published online 2014 Sep 3. doi: 10.1007/s40279-014-0245-z
PMCID: PMC4281377
PMID: 25178498
Exercise-Related Transient Abdominal Pain (ETAP)
食後に走るとお腹が痛くなることがあります。
一般的にはステッチと呼ぶらしいです(私は知らなかったですが)
Execise-Related Transient Abdominal Pain(ETAP)と呼びます。
20世紀前半から報告されるようになったが、積極的になったのはこの15年程度。
これまでの主要な論文をGoogle翻訳したものが下記の表です。
表1
調査 | 年 | 研究目的 | 研究デザインと主題 | 主な調査結果 |
---|---|---|---|---|
ヘルクスハイマー[ 7 ] | 1927 | ETAPの特性を調査して、その原因を特定する | 観察コホート研究 10〜20歳の42人 |
若い人によく見られます。 主に肋骨下 「リズミカルな振とう行動」と食べ物 によって引き起こされますが、運動のレベルではありません「胃と腸の吊り靭帯」の負荷によって引き起こされると考えられています |
クーゲルマス[ 5 ] | 1937 | 痛みの特徴と年齢、性別、姿勢、体型の影響を調査する | 観察コホート研究に加えて、毎日の呼吸と姿勢の運動を含む3か月の介入 56人の症状のある子供(男の子24人/女の子32人、年齢範囲7〜16歳)を、より大きな500人のコホートから選択 |
痛みはよく局在し、胴体の両側に肋骨下領域に位置する ETAPの経験ではありません性差 pubescentsで10年が、一般的な年齢の前にいないの共通 とETAPだけでなく、子供になりやすい「リニア」(ectomorph)ボディタイプを脊柱前弯の姿勢の整列 被験者が人口基準以下の活力を強制したと報告さ れたほとんどの被験者で、呼吸と姿勢運動による3か月の介入によりETAPの症状が減少した |
キャップ[ 3 ] | 1941 | 痛みの特徴を調査する | 観察コホート研究 55例(男性44人/女性11人、15〜65歳) |
運動に関連する痛み 食後の状態によって引き起こされる 痛み場所 によって変化する痛み前方に曲げたり、局所的な圧力を加えることによって緩和される 痛み寒さによって悪化した痛み 横隔膜の低酸素症によって引き起こされると考えられている |
シンクレア[ 2 ] | 1951 | 痛みの特徴を調査する | 疫学研究と観察 123例(男性114人/女性9人、13〜36歳) |
痛みはほとんどが上限と半ば腹部にある 関連肩の先端の痛みに 痛みが前方に曲げにより緩和、深い呼吸と体の反転 痛みは食後状態によって誘発される 胴体の「揺れを繰り返す」ことを伴う活動に痛みの共通 揺さぶる」によって引き起こされることを提案します腹膜靭帯の |
プランケットとホプキンス[ 21 ] | 1999年 | ETAPに対する4つの流体の影響を調査し、鎮痛効果を得るためのテスト戦略 | ラテン方格法を使用してランダム化されたクロスオーバー試験では、 男性10人(21±2年)が、異なる液体を含む合計5回のセッションを行いました:液体なし、水、エクシードスポーツドリンク、脱炭酸コカコーラ、非吸収性糖の高張液ラクツロース 各セッション中、被験者は5分間のランニングを5分間行い、10分間ずつ離しました |
すべての水分は、最初の3つの5分間の試合中にETAPの経験を増加させましたが、高張性のコカコーラとラクツロースのみがその後悪化する症状を引き起こしました 痛みを軽減する技術:前屈、腹部の周りのベルトの締め付け、すぼめた唇からの呼吸 腹筋のリラックスまたは足のストライキの影響を増やしても痛みには影響しなかった |
モートンとキャリスター[ 1 ] | 2000年 | さまざまなスポーツの参加者の過去1年以内のETAPの特性を調査する | 疫学研究 被験者:ランニング、水泳、サイクリング、エアロビクスグループフィットネスクラス、バスケットボール、乗馬の6つのスポーツからの965人の定期的なスポーツ参加者(男性521人/女性444人、28.5±12.4年) |
運動胴体関与繰り返し、いずれかの垂直移動または縦回転することを活動の痛みの最も一般的 ETAPは、患者への症状で単一の条件の一般的なように見える 痛みがよくローカライズされており、主に腹部の肋骨下腰椎地域で発生したが、全体で発生する可能性があります腹部 の重症度に関連した痛みの感覚 肩の先端の痛みに関連するETAP 案ETAPは、壁側腹膜のローカライズけいれんや炎症によって引き起こされます |
モートンとキャリスター[ 11 ] | 2002 | 過去1年間のETAPの経験に関連する要因を調査する | 疫学研究 被験者:モートンおよびキャリスターと同じ[ 1 ] |
ETAPの有病率と重症度は年齢の増加に伴って減少します ETAPは性別またはボディマスインデックスとは関係あり ません |
モートンとオーネ[ 51 ] | 2004年 | ETAPの経験における胸椎の役割を調査する | 18人のランナーが参加した観察研究 | 胸椎の触診(T8–12)により、症候性の個人にETAPの症状が再現された |
モートン等。[ 20 ] | 2004年 | ETAPの体験に対する3つの流体の影響と、腹部の「膨満感」との関係を 調査するETAPの再現性を調査する |
ラテン語の正方形のデザインを使用してランダム化されたクロスオーバー試験では、 40人のアクティブな被験者(男性30人/女性10人、平均年齢= 21.0±2.7歳)が4つのトレッドミルランニング試験を実施しました:液体なし、フレーバーウォーター、スポーツドリンク、フルーツジュース |
フルーツジュース(11%炭水化物および高張性)は、他の水分よりもETAPおよび膨満感を誘発しました。水とスポーツドリンク の間に違いはありませんフルーツジュースは膨満効果とは無関係にETAPを誘発しました 信頼性テストは被験者が練習で水分をよりよく耐えることを学んだ |
モートン等。[ 12 ] | 2005年 | 単一のイベントにおけるETAPの有病率、および痛みと誘発因子の特性を調査する | 疫学調査と観察 コミュニティの楽しいランの参加者848人(男性507人/女性341人、ランナー627人/歩行者221人) |
回答者の27%がイベントでETAPを経験していると報告しました。これらの42%は、イベントでのパフォーマンスの影響を受けたと主張した 歩行者よりもランナーの間で3.5倍、より一般的なETAP [モートンとCallisterによって報告されたものと著しく類似した痛みの特性を1 ] 左側の痛みのような一般的なように、右サイドの痛み倍 ETAPの報告が減少しました年齢、性別、ボディマスインデックス、イベント完了 までの時間には 関係ありませんでした。イベントの1〜2時間前に大量のイベント前の食事をしたランナーは、イベント前の栄養プロファイルとは無関係にETAP ETAP を経験する可能性が高かった 肩こりに関連するイベントミールETAP |
モートンとキャリスター[ 16 ] | 2006年 | 肺機能に対するETAPの影響を調査する | 比較グループによるプレテスト後のコホート研究 合計28人のアクティブな個人(男性20人/女性8人、平均年齢= 23.3±5.9歳):ETAPグループに14人、比較グループに14人 |
ETAPのエピソード中に肺機能が損なわれなかっ た横隔膜がETAPの原因に関係していないと結論付けた |
モートンとキャリスター[ 22 ] | 2008年 | ETAPのエピソード中にローカライズされた筋電図(EMG)活動が増加しているかどうかを調査する | 比較グループを使用したテスト前のテスト後のコホート研究 MortonおよびCallisterと同じ[ 16 ] |
ETAPのエピソード中にローカライズされたEMGアクティビティが上昇し なかった結論ETAPは筋けいれんではない |
モートンとキャリスター[ 25 ] | 2010 | ETAPに対する姿勢と体型(体型)の影響を調査する | 観察コホート研究 159人のアクティブな被験者(男性104人/女性55人、平均年齢= 18.6±5.0歳) |
脊柱後弯症の人は 、体型とは無関係にETAP ETAPの影響を受けやすかった |
モレ等。[ 82 ] | 2014年 | 腹横筋機能とETAPの関係を調査する | 観察コホート研究 50人のランナー(男性28人/女性22人、平均年齢= 25.8±7.0歳) |
体幹の筋肉が強く、安静時の腹横幅が大きい参加者は、ETAPの経験が少ない |
有病率;
水泳:75%
ランニング:69%
乗馬:62%
有酸素グループフィットネス:52%
バスケットボール:47%
サイクリング:32%
という報告はあるが、別の報告では、水泳(15%)とサイクリング(8%)の有病率は低いとするものもある。
疼痛部位:
右わき腹が最も頻度が高い。
痛みは軽度だと、引っ張られるような・痙攣様など
重度だと、鋭く刺すような痛み
痛みと関連したものとして、肩甲骨痛があるとされている。
ETAP部位と肩甲骨痛が同側に現れたとするものが約23%にあったとしている。
これは、横隔神経が僧帽筋境界の外側1/3から肩峰突起までの領域を支配していることと関係すると推測している。
病因;
これまでにいくつかの仮説が提唱された
1.横隔膜虚血⇒否定された
2.内臓の靭帯の機械的ストレス⇒一部否定
3.胃腸障害⇒一部否定
4.筋肉の痙攣⇒否定
5.神経原性の痛み⇒否定はできず
6.腹膜の摩擦⇒現在最も有力とされる
昔から知られていることとして、3胃腸障害があった。
運動では最大強度の場合において、内臓血流が80%減少するという報告はあるが、軽い運動では起こらないとのこと。
内臓痛であった場合痛みの質が合わないことも指摘されている。
痛みの質だけでいえば5神経原性疼痛も可能性がありますが、これでは食事との関連が認められないという指摘
そこで、腹膜の摩擦(振動;揺れ)が関係するのではないか?と考えられているよう。
また腹横筋が未発達の場合に、内臓の安定性も低下するため、摩擦が強くなりやすく、運動をやめるとすぐに改善するのが一致するとのこと。
決定的な説明はできないのが現状。
予防のためには、運動の2時間前には食事は終え、運動中の水分摂取では高張飲料は避けた方がよいとされる。
また腹横筋の安定性のために姿勢に気を付けると良い
痛みが強い場合は、前屈位になり、患部を押して、深呼吸するとよいそう。