1万歩ってどこからきた?
先日、来院された患者さんが、「毎日、1万歩歩いている」と言っていました。
時間にして、1時間半ほど歩いているそうです。
確かに、1万歩歩くと、循環器疾患や脳疾患などの予防になるといったような話は聞きますが、本当に1万も必要なのか?と思って、調べてみました。
まずは、実際に歩いている歩数はどれくらいかを調べた報告
厚生労働省がだしている、平成29年「国民健康・栄養調査」の結果 より
平成19年から10年間の推移をみると、平成19年と比べ、歩数は減少傾向にあるようです。
平成29年の平均歩数は、男性6846歩・女性5867歩だったそうです。
厚労省は、目標値として、男性7000-9000歩・女性6000-8500歩なんだそうで、男女ともに足りていません。
また、ここでは1万歩までは目標値でも書いてはいません。
探したのですが、1万の基準となるエビデンスは見つかりませんでした。
どこからきたのでしょうか?
その際に、最近の歩数に関する報告がありました。
Lee IM,et al. Association of step volume and intensity with all-cause morality in older women. JAMA Intern Med.2019 May 29.
高齢女性16741名(72±5.7歳)を対象にした歩数と死亡率の関連性を調査した前向きコホート研究
その結果、7500歩以上歩いても、全死亡率に関連したハザード比は変わらない。
だいぶ内容を省きましたが、7500歩が高齢女性の目標値になりそうです。
ですが、日本の70歳以上の女性は、4300歩程度とかなり少ないようです。
日本は海外と比べて歩道も狭く、気軽に歩ける環境が少ないのも関係しているのかなと思います。
そうなると、厚労省の目標値である6000歩は、現実的に妥当な目標値なのかなと思います。
達成するための工夫を鍼灸師は何ができるかを考えないといけません。