性分化疾患について
本日は、東野圭吾作「片想い」にでてきた「性分化疾患」について。
ドラマの方しか見ていませんが、ジェンダーを題材にした内容です。
その中で女性に見えるけど、染色体や性器は男性を示す性分化疾患というものが描かれていました。
堀川 玲子.性腺 性分化疾患の臨床的アプローチ.日内会誌.2012;101:965-974.
性腺・内性器・外性器の非典型例を性分化疾患と呼ぶ。
いくつもの原因遺伝子も同定されつつあるが、まだ不明な点も多いのが現状。
古くはいくつかの名称があったが、19世紀に性分化異常症という概念が提唱され、2006年に性分化疾患と統一された。
はっきりとした疫学研究があるわけではないようですが、数千人に1人の割合でいるようです。
性分化疾患の前に、
Alfred Jostが1974年に提唱したJostの法則がある。これは、もともとヒトの生殖器は本来女性に分化するというものである。
受精児の胎児性腺は両性的で、この未分化の性腺の皮質が卵巣に、髄質が精巣に分化する。発生初期にXXのいずれかがX染色体ないしはY染色体と核融合し新たな個体を形成することで男性ないし女性に分化誘導される。
この誘導が始まるのが、胎生5-7週ごろで、ウォルフ菅やミュラー管が形成され始める頃。
こうしたことから、男性に見えるけど女性。女性に見えるけど男性。という方が色々な問題に悩まされているよう。
例えば、現在の法律では、性別は後で変更できるけど、そのためにはいくつかの条件があり、それをクリアするには体の負担や経済的な負担などがあるとのこと。
性分化疾患でニュースになったのは、南アフリカの陸上選手が生まれつきテストステロン値が高く、女性として競技に出場するのはどうか?と議論になっていました。
この選手も女性に見えるけど男性のような性分化が誘導された。
選手自身は、「私は女性だ」と主張していた。しかし国際陸上連盟は、テストステロンの値を抑えるようにしたら大会に出場していいということにした。
その結果、選手は医療処置を受け、テストステロン値を下げ出場。結果は本来のパフォーマンスとは程遠い走りでした。
これからもこうした性分化疾患に関することはででてくるかもしれません。
知ることから始めて、考える。