皮膚科疾患トップ20
本日は、皮膚科疾患頻度についての報告。
大学医学部皮膚科、その関連基幹病院皮膚科、および皮膚科診療所(大学病院 76 施設、病院 55 施設、診療所 59 施設 計 190 施設)において調査を実施。
最終的な参加施設は 170 施設(大学病院 69 施設、病院 45 施設、診療所 56 施設)。
被験者数67.448名。
これらの皮膚疾患のトップ20をグラフ化;
上位 20 疾患を列挙すると、
その他の湿疹 18.67%、アトピー性皮膚炎 9.98%、足白癬 6.49%、蕁麻疹・血管浮腫 4.99%、爪白癬 4.79%、ウイルス性疣贅 4.49%、乾癬 4.43%、接触皮膚炎 3.92%、ざ瘡 3.6%、脂漏性皮膚炎 3.28%、手湿疹 3%、その他の皮膚良性腫瘍 2.47%、円形脱毛症 2.45%、帯状疱疹・疱疹後神経痛 2.39%、皮膚潰瘍(糖尿病以外)1.98%、痒疹 1.82%、粉瘤 1.77%、尋常性白斑 1.68%、脂漏性角化症 1.62%、薬疹・中毒疹 1.51%の順であり、上位 20 疾患で皮膚科受診患者の 85.34%を占める。
また疾患ごとに特徴的な年齢分布
たとえばアトピー性皮膚炎は、0-5 歳と 21-25 歳をピークとする 2 相性の分布を示す。
0-5 歳(4,192 人)のトップ 5 疾患は、
その他の湿疹 29.32%、アトピー性皮膚炎25.72%、伝染性軟属腫 10.14%、伝染性膿痂疹 6.94%、その他の皮膚良性腫瘍 5.39%。
26-30 歳のトップ5疾患は
アトピー性皮膚炎 23.49%、その他の湿疹 12.83%、ざ瘡 10.38%、蕁麻疹・血管浮腫 6.54%、ウイルス性疣贅 6.11%。
56-60 歳のトップ5疾患は
その他の湿疹 16.43%、足白癬 9.64%、乾癬 7.38%、爪白癬5.97%、蕁麻疹・血管浮腫 5.07%。
86-90 歳のトップ5疾患は、
その他の湿疹 27.93%、足白癬 7.83%、爪白癬 7.19%、褥瘡 5.91%、皮膚潰瘍(糖尿病以外)5.73%。
性差が明らかな疾患
男性が女性よりも 2 倍以上多い疾患は、
糖尿病性皮膚症(2.27 倍)、乾癬(2.58 倍)、男性型脱毛症(19.80 倍)、その他の部位の白癬(1.99 倍)、梅毒(2.00 倍)、紅皮症(2.44 倍)。
女性が男性より 2 倍以上多い疾患は、
手湿疹(2.78 倍)、胼胝・鶏眼(2.12 倍)、陥入爪(2.02倍)、その他の爪の疾患(2.22 倍)、その他の毛・汗腺・脂腺の疾患(2.45)、ざ瘡(2.20 倍)、全身性強皮症(5.48倍)、全身性紅斑性狼瘡(6.22 倍)、皮膚筋炎(2.95 倍)、その他の膠原病(3.36 倍)、網状・樹枝状皮斑(2.81 倍)、肝斑・老人性色素斑(17.56倍)、結節性紅斑(8.25 倍)など。
鍼灸院には、主訴ではなくとも、これらの皮膚疾患を有する患者さんが来られることは多いように思います。
こうした疫学の全体像を頭に入れておくと、イメージしやすいかもしれません。