都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

片頭痛の病態について

本日は、最近の片頭痛の考え方について。

 

永田栄一郎.片頭痛の病態に関する最新の知見.臨床神経.2020;60:20-26.

 

片頭痛の病態は、

1940年代;血管説が提唱

1981年;皮質性拡延性抑制現象(CSD)を中心とした神経説

⇒前兆(アウラ)のない片頭痛の説明がつかない

1984年;三叉神経血管説

⇒三叉神経終末を中心とした血管や神経原性炎症が引き金とする考え方

セロトニン・CGRP・サブスタンスPなどのニューロペプチドや一酸化窒素(NO)・ドパミンなどが関与するとされる。

 

近年、片頭痛発作の始まりはいつか?という疑問に対して、

前兆期よりも前に予兆期というものがあり、

あくび・疲労感・集中力の低下・頚部の肩こり・抑うつ気分などの不定愁訴が多く起こることが示されている(Fig2)。

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この予兆期にすでに、視床下部の活性化が起きており、三叉神経脊髄路核との連絡が活発化する。さらに脳の色んな部位の機能が働いていることが明らかとなってきた。

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その中心はどうやら視床下部にあるよう。

 

視床下部⇒三叉神経脊髄路核⇒上唾液核や三叉神経節の活性化⇒PACAP38(最近発見されたペプチドホルモンで血管拡張作用や神経分泌系の活性化などの作用)・VIP・NO・アセチルコリンなどが分泌される⇒硬膜血管拡張⇒片頭痛

という流れが考えられているよう。

現在、PACAP38の拮抗作用をもつ薬物治療の臨床試験が行われているようです。

 

予兆期は経験的にはあっても、その関連はあまり知られていないように思います。

この時点で鍼灸施術や適切な施術が行われれば、頭痛発作が抑えられるかもしれません。

 

頭痛発作が起きた場合、三叉神経領域の刺激などから頭痛発作を抑制する考え方になりますが、その中心となる視床下部について、どの刺激で最も効果的かは現時点では不明です。