2021-03-07 レイノー現象を起こす原発性と続発性の違い Review J Assoc Physicians India . 2010 May;58:309-13. Raynaud's phenomenon Renu Saigal 1, Amit Kansal, Manoop Mittal, Yadvinder Singh, Hari Ram レイノー現象には、原因疾患のない一次性(原発性)と原因疾患がある二次性(続発性)がある。 原発性レイノー現象は、レイノー病とも呼ばれ、40歳代以上の若い女性が全体の1/4を占める。 また家族歴も同程度。 続発性レイノー現象を起こす主な疾患は、 膠原病(MCTD・強皮症・SLE・関節リウマチ・皮膚筋炎・多発性筋炎・シェーグレン症候群などで、特にMCTDと強皮症との関連が強いとされる) 薬剤(エルゴタミン・β遮断薬・ニコチン・インターフェロンなど) 職業性(振動機械を使う仕事) 動脈系疾患(閉塞性血管炎・血栓や塞栓・動脈硬化・胸郭出口症候群・血管炎など) その他(甲状腺機能低下症・悪性腫瘍・POEMS症候群など) 原発性と続発性の主な違い; 原発性: 寒冷刺激やストレスに対する反応 膠原病は否定 Nail fold capillaries(爪床毛細血管は異常なし 対称性の軽度~中等度の痛み 指の壊死や潰瘍は認めない 発症年齢14歳以上、約27%は40歳以上 レイノー現象の家族歴あり 続発性: 膠原病などの基礎疾患がある 膠原病を疑う筋肉痛や関節痛、皮膚硬化、皮疹がある Nail fold capillariesは異常あり 非対称性の強い痛み 指の潰瘍や壊死がある 発症年齢が30歳以上 この他にもチェーンソーや削岩機を使用することが多い。 症状が全指なら原発性の可能性、数本なら続発性の可能性あり。 Nail fold capillaries; 下の赤丸部分にキシロカインゼリーをつけて、皮膚鏡(Dermatoscopy)で観察する。