筋疲労症状について
本日は、筋疲労症状について。
鈴木重明.筋疲労症状.Clinical Neuroscience.2013;31(5):567-8.
疲労は、精神的疲労と肉体的疲労に大別されるが、たいていは混合性。
部位別では、全身性と局所性、
にも分類される。
今回の筋疲労症状とは、
特に治療を要しない生理的な疲労と、
疲労は、運動という骨格筋や末梢神経だけでなく、皮膚や関節からの中枢処理、自律神経系なども原因となり得る。
筋あるいは神経筋接合部に由来する末梢性疲労(いわゆる筋疲労)と、より高位での神経系が原因となる中枢性疲労に分けて考える。
疲労をきたす主な神経疾患
中枢性;
脳血管障害、運動ニューロン疾患、多発性硬化症、パーキンソン病・症候群、多系統萎縮症、脳炎・髄膜炎(後遺症)、ポリオ後症候群、頭部外傷後、自律神経障害
末梢性;
重症筋無力症、Lambert-Eaton筋無力症候群、多発筋炎、筋ジストロフィー、代謝性筋疾患、内分泌性ミオパチー(甲状腺機能低下症)、ミトコンドリア病
その他;
こうした筋疲労は、筋力低下などの他覚的所見を認めることが多い。
基本的に中枢性の場合、原疾患の他の症状に付随した疲労を訴えることが多いが、進行性疾患の場合、初期に疲労を訴える場合があるため、要注意。
また、脳血管障害患者さんに疲労を訴える割合が多いが、それはうつや意欲低下のサインなので、見逃したくない。
まずは、
問診で、どのような動作で、どの部位が筋疲労を起こしているのか?を明らかにするのが原則。
四肢では、近位筋優位なのか?遠位筋なのか?
片側性?両側性?
見逃しやすいのが、できない動作がもともとできないのか?できなくなったのか?も大切。
筋痙攣はあるか?筋のこわばりは?→代謝性疾患に認められる。
疲労は、訴えの頻度としては高いが、緊急度の高い訴えの場合は少ないです。
しかし、だからこそ見落としの可能性は高いとも言えます。
鍼灸師にできることは限られてはいますが、対応を考えておくといいかもしれません。