顔の毛穴を解析したら
本日は、顔の毛穴に関する報告。
当院における美容鍼灸で、毛穴に関する悩みは上位に入ります。
樋口美雪、他.ビデオマイクロスコープを用いた顔面の毛穴解析ー方向性と力学的異方性との関連ー.J Soc Cosmet Chem Jpn. 2016; 50(4): 321-328.
顔面部の毛穴(主に開口部面積)に関する報告では、
年齢・皮脂分泌量・生理周期・紫外線量・皮脂中の不飽和脂肪酸(オレイン酸)による表皮増殖・タンパク質のカルボニル化・毛穴周りの皮膚内部構造などとの関連性が報告されている。
毛穴は円ではなく楕円形をであり、Langer's Line(ランガー割線;皮膚割線)と関連があると考えられていて、皮膚割線の走行は膠原線維の走行方向と示唆されているよう。
J. of Dermatological Res. 2017 March; 2(1): 77-87.
この研究では、顔面6部(額・鼻横・顎・鼻唇溝横)の毛穴の方向性を解析し、Langer's Lineとの関連を調べた。
その結果、
毛穴の大きさ;部位で大きさが異なる。
左右の鼻横の毛穴が大きい。次いで額。
毛穴の方向性;
頬(特に鼻唇溝横)では、幅が狭く、方向性も一定
額は10度と180度方向にピークあり。
顎は90度方向にピークあり。
鼻横の右60度方向、左120度方向にピークあり。
各部位における毛穴の方向性(平均線)と皮膚割線は対応している(Fig-7)。
また皮膚の変形しやすい方向としにくい方向があり、
変形しにくい方向とLanger's Lineは対応している(Fig-8)。
これより、
頬部の毛穴は、皮脂量や乾燥などから他の部位に比べ大きい。
また毛穴の方向および力学的異方性とLanger's Lineは対応しており、Langer's Lineの方向に皮膚は変形しにくく、毛穴の形状はLanger's Lineの方向を長軸とした楕円形に歪んでいる。
またスキンケアにより、ドライスキンからの改善は毛穴の大きさを減少させる。
顔に鍼を行う際には、Langer's Lineを意識して行うことで、毛穴の引き締め効果もあると思われます。
美容目的で鍼灸に来院される方の目的として、毛穴を挙げる方は一定数いると思います。
鍼は、皮脂量や肌水分量を調整することもでき、毛穴のトラブルにもある程度対応できるという1つの指針にはなると思います。