都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

デコルテvs顔の比較

本日は、デコルテについての報告。

デコルテとは、一般的に首筋から胸元までの範囲を示す言葉。

 

小池都、他.頚部・デコルテの皮膚生理機能と形態特徴の加齢変化.日本香粧品学会誌.2013;37(2):81-89.

 

対象は22-76歳の女性90名(各年代15名、BMI30未満)。

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対象の

角層水分量・経皮水分蒸散量(TEWL)・皮脂量・皮膚粘弾性・皮膚色・皮膚血流量

計測部位;

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シワ形状

下顎部の形態(下顎の皮下脂肪厚・下顎の形など)

二重顎は顎下部にはっきりしたラインが2本以上確認できるもの;

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を評価

 

結果;

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角層水分量は、頬に比べ、鎖骨下で加齢とともに増加(特に20代<30代)

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経皮水分蒸散量(TEWL):頬と比べ有意な低さ。しかし加齢変化はなし。

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皮脂量;頬と比べ有意な少なさ。加齢により減少。

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皮膚粘弾性:皮膚柔軟性の加齢変化は、側頚部は低下・前胸部で増加。

弾力性は加齢により低下。

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皮膚色:頚部と前胸部は加齢変化あるが、鎖骨下ではなし。

皮膚血流量は、加齢により増加。しかし血流速度は有意差はないが、減少傾向。

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しわ形状:30代から50代にかけて変化が大きい。

シワの深さ(特に側頚部で顕著)や本数は加齢で増加。

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 下顎の形態;50代から60代にかけて頚部と下顎の間のくびれがない割合増加。

20代ぐらいの二重顎と皮下脂肪厚は関係あるが、60代以降では関係なし。

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顔面部とデコルテでは、加齢による皮膚生理機能の変化は異なるようです。

そのため、デコルテの鍼灸施術では顔面部とは異なると考えないといけないかもしれません。