歯ぎしりについて。
本日は、歯ぎしりについてです。
実は、私も歯ぎしりをします。
でもあまり調べたことがなかったので、調べてみると、睡眠時の歯ぎしりを
英語では、「Sleep bruxism」とかってなるようです。
「bruxism」だけだと睡眠時ではなく覚醒時の噛みしめとかになるような感じです。
まずは、歯ぎしりのリスクファクターについて。
Ohayon MM, et al. Risk factors for sleep bruxism in the general population. Chest. 2001 Jan;119(1):53-61.
Kuhn M, et al. Risk factors for bruxism. Swiss Dent J. 2018 Feb 12; 128(2): 118-124.
イギリス4972人・ドイツ4115人・イタリア3970人への電話アンケート調査。
このうち、少なくとも週1回に睡眠中の歯ぎしりが出現するのは8.2%。
危険因子は以下の表。
調整後のオッズ比:
睡眠時無呼吸症候群(オッズ比:OR;1.8)
いびき(OR;1.4)
中等度の日中の眠気(OR;1.3)
重度の飲酒(OR;1.8)
カフェイン飲酒(OR;1.4)
喫煙者(OR;1.3)
ストレスが多い(OR;1.3)
不安感(OR;1.3)
は睡眠中の歯ぎしりを起こす要因となり得る。
別の報告では、成人と子供に分けて検討している。
成人の歯ぎしりの危険因子は、
最初の報告と類似した結果でした。
ですので、睡眠時無呼吸症候群や喫煙、コーヒー、飲酒、ストレス度合いなどを問診するといいかもしれません。
私もいくつか当てはまります(笑)。
こうした歯ぎしりは、筋骨格系の症状を引き起こす可能性が示唆されています(J Oral Rehabil. 2019 Sep; 46(9):845-861.)。
女性の歯ぎしりがあると、顎機能障害や頚部機能障害が起こる可能性が報告されており、頚部障害指数(NDI)と歯ぎしりと関連するとされています(Musculoskelet Sci Pract.2019 Oct 28;45:102073.)。
歯ぎしりで頚部痛を引き起こす機序の1つとして、歯ぎしりと眼球運動の関連が考えられると思います(Sleep Med. 2019 Jul 22;65:36-44.)。
歯ぎしりをする患者の咀嚼筋の筋活動を測定し、同時に眼球運動を測定すると顎の動きに関連した眼球運動が認められたとされています。
ストレスや不安感、コーヒーなどのリスク要因により、歯ぎしりと眼球運動が起き、眼球運動に付随して後頭下筋→頚部多裂筋や板状筋などが緊張→頚部痛となるのかな?と思います(推測です)。
歯ぎしりが原因とはなかなか気づかないかもしれませんが、いろいろやってみて効果が薄いときは、歯ぎしりも考えてみてもいいかもしれません。