食いしばりと首とツボ
本日は、食いしばりや歯ぎしりなどを少し軽くする方法について。
先日、このブログ内で
「口を開ける・閉じる筋肉」を書きましたが、その続報と考えてもらえればいいかなと思います。
https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2020/01/30/080442
食いしばりや歯ぎしりでは、主に咬筋が強く関係します。
そして、咬筋は側頭筋と協働します。
その際に、胸鎖乳突筋が側頭筋側に引っ張られるように作用します。
実際に確認する方法
1.口を軽く開けた状態で、首を右や左に回してみましょう。その際の首の抵抗感や引っ掛かりがないかを確認します(首の悪い方などは無理のないように)。
2.次に、口を閉じて噛みしめてみましょう。その状態で、首を左右にゆっくりと回してみてください。
いかがでしょうか?
少し1の時と比べて、首が回しにくく感じないでしょうか?
食いしばりや歯ぎしりがある方は、胸鎖乳突筋が引っ張られる状態が続き、結果、咬筋が張り、エラがはったように見えてきます。
また咬筋や胸鎖乳突筋などの周囲には、リンパ節がたくさんあるので、筋肉の不調和があると、顔も浮腫みやすくなります。
こうした喰いしばりや歯ぎしりを少しでも楽にすることで、エラが張る・顔のむくみなどを少し解消することができます。
そのためには、咬筋を緩めるように刺激するのと同時に、胸鎖乳突筋の刺激をした方が効果が大きいです。
直接刺激してもいいですが、少し離れたところから刺激するのも面白いです。
そのヒントになるのが、
鈴木敏明、他.合谷への経穴刺激理学療法が胸鎖乳突筋、板状筋の運動前反応時間に与える影響.第43回日本理学療法学術大会抄録集
鍼灸師にはおなじみの「合谷穴」
ここは、
胸鎖乳突筋を通って顔面部に至る経絡です。
本日の参考文献では、手で押しても胸鎖乳突筋の刺激になるようです。
ただ、押し方に特徴があります。
合谷穴に対して、
垂直に押すと胸鎖乳突筋は弛緩反応を示す
第2指に向かって斜に押すと、胸鎖乳突筋は促通反応を示す
ということです。
また、効果を高めるためには持続時間も大切で、1分押すよりも5分の方がいいということが発表されているようです(抄録集からなので注意が必要)。鍼でも置鍼時間が変わると筋への影響が変わることが示唆されています。
このように首とは離れた刺激でも、影響があるので、こうした方法も活用しながら、胸鎖乳突筋を刺激して、食いしばりなどを緩和することが可能となります。
一度の刺激で、歯ぎしりがでなくなるなどの効果までは難しいかと思います。また手で合谷を5分間抑えるのもなかなか大変なので、鍼施術などのほうを行い、セルフケアで合谷刺激でいいのかなと思っています。