女性の尿失禁と鍼治療
本日は、尿失禁に対する鍼通電療法の報告です。
Sun B, et al. Electroacupuncture for stress-related urinary incontinence in elderly women: data analysis from two randomised controlled studies. BMJ Support Palliat Care.2020 Jan 9.
高齢女性のストレス関連尿失禁に対する鍼通電療法;2つの無作為化対照試験の解析
ストレス性尿失禁(SUI)またはストレス優勢の混合性尿失禁(MUI)は、運動やくしゃみ、咳などで尿失禁することが特徴で、これらが認められる女性に対して鍼通電療法の有効性を比較するサブグループ解析の結果。
SUIトライアル~多施設、無作為、sham鍼と比較
504名の参加者を、
EAグループ~鍼通電療法を6週間(週3回、30分)受ける252名
shamEAグループ~偽の鍼通電療法を受ける252名
治療後24週間の経過を追跡。
MUIトライアル
500名の参加者を
EAグループとshamEAに分けた。
これら2つのトライアルのEAグループを合わせて解析。
その結果、
合計371名が参加を完遂し、そのうち60歳以上の高齢者92名・非高齢者292名だった。
6週間の介入を終え72時間の尿失禁頻度(IEF)の変化
高齢者では57.3%、非高齢者は60.7%と有意差なし。経過追跡も同様。
そのほかの評価も、改善傾向を示してはいるが、2群間での有意差はなし。
有害事象
高齢者2.17%、非高齢者1.37%であり、重大な有害事象はなし。
鍼治療は、年齢に関係なく、良好な結果をもたらす。と結論付けています。
ですが、この結果は二次分析ですので、この結果がそのまま採用されることはありません。
女性の尿失禁に鍼治療などは有用であることは、ほぼ間違いないかと思います。
なので、あとはどのようにして、相談にのれる環境を作るか?などが大切になってくるかな?と思います。