都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

口を開ける・閉じる筋肉

本日は、顎を動かす筋肉についてです。

 

山片重徳、他.骨格性下顎前突症者の顎顔面形態と咀嚼筋活動に関する研究.Jpn. J. Jaw Deform. 7 (1): 10~17, April, 1997.

 

咀嚼筋には、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋が含まれる。

この他、口を開けるのに舌骨筋群も関与する。

 

それぞれの大まかな起始停止;

・咬筋~起始:頬骨弓、停止:咬筋粗面、作用:下顎骨の挙上

関連画像

・側頭筋~起始:側頭窩・側頭筋膜、停止:筋突起、作用:前部は下顎骨の挙上、後部は下顎骨の後方運動

関連画像

 ・内側翼突筋~起始:翼突窩、停止:翼突筋粗面、作用:下顎骨の挙上

・外側翼突筋~起始:上頭は側頭下稜および蝶形骨大翼、下頭は翼状突起外側板外面、停止:上頭は関節円板や関節包、下頭は下顎頸翼突筋窩、作用:上頭は下顎骨の挙上、下頭は下顎骨の前方運動

「咀嚼筋 筋肉」の画像検索結果

外側翼突筋は、片方だけ働くと、顎を左右に動かす作用になる。

 

4つの筋の神経支配は下顎神経(三叉神経)

これらは、主に閉口に関わる。

開口には、舌骨筋群が関わる。

 

これらの筋肉の異常があると、顎の歪み(左右・前後)や食いしばりなどの影響が出てくる。

 

また直接は顎運動に関与はしないが、胸鎖乳突筋は側頭筋と関連する。

噛むという動作では、咬筋が主戦力と答える人が多いことから推測するに、

側頭筋をあまり意識していない=胸鎖乳突筋も使えていない⇒首がうまく使えないという流れがあるように感じます。

反対に言うと、胸鎖乳突筋を意識する⇒側頭筋が働き、咬筋の負担が減る=食いしばりなどが少し楽になる。

ということも言えるのかな?と最近は思っています。

「胸鎖乳突筋と側頭筋」の画像検索結果

 

このように、どの部位の異常で、どのような表情になるのか?どのような所見が得られるのか?は確認するのが望ましいと思われます。

表情筋のそれぞれの作用について、イラストになっているものを見つけたので、参考までに。

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https://www.jda.or.jp/park/function/index04.html より掲載

 

噛むという動作だけでも、顎の上下運動だけでなく、左右の動きなどもあります。

どの動作で痛みがでるのか?などを見極めるのは正直難しいですが、出来る限り探ろうとすることは大切です。