本日は、経穴(ツボ)に関する論文を紹介します。
Comparative Study
雑誌: PLoS One. 2025 Sep 26;20(9):e0331868.
doi: 10.1371/journal.pone.0331868, eCollection 2025.
タイトル: The specificity for the correlation between viscera and somato in chronic stable angina pectoris patients and healthy controls: An assessor-blinded and comparative trial
慢性安定狭心症患者と健常対照者における内臓と体組織の 相関の特異性:評価者盲検比較試験
著者: Yongliang Jiang 1, Xiaoyu Li 1, Xiaofen He 1, Hantong Hu 12, Yajun Zhang 1, Xiaomei Shao 1,
Jianqiao Fang
関連痛と呼ばれる、内臓の状態が体表面の痛みなどとして現れることを指す現象があります。
例えば、心臓が悪くなると、左肩や小指が痛むなどがそれです。

このように内臓の状態が悪くなると体のどこかに反応が起こるものに、経穴もあります。
今回の論文では、慢性安定狭心症の患者を対象に、前腕部のツボに反応が起こるか?を調べた報告です。
対象は、40名の慢性安定狭心症患者(CSAP)と、40名の健常者です。

心臓と関連する前腕部の心経と肺経に対して、
レーザードップラーやサーモグラフィなどを用いて、皮膚温や血流などを測定。
主な測定項目は、
微小局所血流:PU値
局所皮膚温
局所酸素飽和度:rSO2
の3点に対して、研究対象の割り付けを知らない第三者が測定評価するブラインドを行った。
評価部位は、4ポイント
肺経のLU5(尺沢)
LU9(太淵)
心経のHT3(少海)
HT7(神門)

だった。
その結果、
PU値は、

狭心症患者の心経で血流増加反応があり、
皮膚温では、

上図のaは健常者、bは慢性安定狭心症患者

尺沢以外の3穴に狭心症患者の温度上昇が認められた。
酸素飽和度は、

狭心症患者の心経の少海に減少が認められた。
この結果のように、
心臓と関連するとされる経穴は、健常者に比べ狭心症患者で反応が異なることが認められました。
必要な時に必要な部位でツボが顔を出す。
そこが鍼灸師にとっての施術部位となるので、昔から言われていたことの1つの証明になると思われます。
実際の鍼灸現場では、こうした測定機器を用いることはないので、手の感覚で、ツボの反応を確認することになり、そこに熟練者との差が生まれているのかもしれません。
本日はこの辺で〆ます。