冷え性の苦痛度
本日は、冷え性の苦痛度に関する報告です。
古谷陽一、他.冷えの苦痛はどの程度?閉経前女性の冷え性のスクリーニングに有用な基準.日東医誌.2017;68(1):12-16.
冷えの診断やスクリーニングの境界をしるための研究。
冷え性専門外来に訪れた123名のうち、女性患者99名を患者群。
病院看護師や看護助手を健常者群273名。
直近3ヶ月による冷えの苦痛をNRS(0-10点)で評価
結果;
対象から器質的疾患による冷えや何らかの慢性疾患既往者は除外された。
健常者の冷えに比べ、患者群の冷えは有意な高値を示した。
これよりROC曲線は、
NRS5点をカットオフとした場合の
感度;閉経前98%・閉経後96%
特異度;閉経前54%・閉経後67%
となった。
ROC面積;閉経前0.77・閉経後0.91
であった。
今回の対象の健常者は病院受診をしていないだけなので、純粋な健常者とは言えないが、1つの基準とはなると思います。
鍼灸院に冷え性の主訴で来られる方も、NRSは高くなる可能性が示唆されます。
また随伴症状での冷えでもNRSは簡便なのでとっておくと、役に立つことがあるかもしれません。
この報告では、器質的疾患が認められた方が除外されています。
冷えを起こす器質的疾患だけではないようですが、冷え性を訴える方の中には、器質的疾患が潜んでいるリスクを忘れてはいけませんね。