薬剤起因性便秘を起こしうる薬
本日は、薬剤起因性便秘について。
便秘は比較的高頻度発生ですが、危険な便秘というのはあまりみかけません。
ですが、まれにそうした症例があることは報告されているようです。
その1つに薬剤起因性便秘が挙げられます。
Palmer SE, et al. Life-Threatening Clozapine-Induced Gastrointestinal Hypomotility: An Analysis of 102 Cases. J Clin Psychiatry 69:759-768,2008.
クロザピン(クロザリル®)という薬剤が、腸の蠕動運動機能低下を引き起こすことが報告されています。
治療抵抗性の統合失調症に対する薬とのこと。
過去の報告を集積し、102症例集まった。
これらをまとめると、
クロザピン服用で腸管蠕動運動低下した症例の死亡率は高い。
特に服用開始して間もない症例、血中濃度が高い症例、抗コリン薬を併用していた症例で死亡率が高かった。
既往歴で、統合失調症があった場合の薬剤服用にクロザピンがないかのチェックは必要です。
また、いつから飲み始めているか?
抗コリン薬は併用していないか?
も確認することが望ましそうです。
抗コリン薬の商品には、
ブスコバン
スピリーバ
ベシケア
などがあります。
他にも薬剤起因性便秘はありますが、それはまたいつか。