ワーファリンとの併用に注意が必要な薬剤
ワーファリンと併用することに注意が必要な薬剤があります。
これをみると、たくさんありますので、すべての紹介はできません。
今回はセレコックスについて。
1.セレコックス
【ワーファリン】 Ⅷ‐4.[COX-2選択的阻害剤]との相互作用セレコキシブ (セレコックス | 【医療関係者向け】Q&A hotline Eisai
セレコックス;解熱鎮痛消炎剤
消化管出血を助長する可能性があるため、併用開始時や中止時には、PT-INRによる検討が必要。
こうした事例報告がいくつかあるようです。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Schaefer MG et al.: Am. J. Health-Syst. Pharm., 60, 1319(2003) WF-1611
2)Chung L et al.: J. Clin. Pharm. Ther., 30, 471(2005) WF-2209
3)Battistella M et al.: Arch. Intern. Med., 165, 189(2005) WF-2567
4)Karim A et al.: J. Clin. Pharmacol., 40, 655(2000) WF-1565
5)Dentali F et al.: Ann. Pharmacother., 40, 1241(2006) WF-2339
6)Stading JA et al.: Am. J. Health-Syst. Pharm., 58, 2076(2001) WF-1383
7)Stoner SC et al.: J. Am. Geriatr. Soc., 51, 728(2003) WF-1564
8)Mersfelder TL et al.: Ann. Pharmacother., 34, 325(2000) WF-1567
9)Haase KK et al.: Ann. Pharmacother., 34, 666(2000) WF-1568
10)Malhi H et al.: Postgrad. Med. J., 80, 107(2004) WF-1694
これらの報告は海外での報告のようです。またこのうち、相互作用は確認できなかったとするものもあり、作用は限定的なようです。
文献番号4;相互作用なし
<臨床研究報告>
健康成人24名(男19名、女5名)にて、ワルファリンとセレコキシブの相互作用を検討した。まず、被験者に7日間、ワルファリン(ラセミ体)を単独投与した。最初の2日は10mgを24時間毎に投与し、次いで1~5mgを24時間毎に5日間投与して、プロトロンビン時間がワルファリン投与前の1.2~1.7倍になるようにした。次いで被験者を12名ずつの2群に分け、維持用量のワルファリン投与下にセレコキシブ400mg/日(分2)またはプラセボを7日間投与した。ワルファリン単独投与最終日(Day0)と、併用期最終日(Day7)のS-ワルファリン、R-ワルファリンのAUC0-24、最高血漿中濃度、同到達時間は、いずれもセレコキシブ群とプラセボ群の間に有意差はなかった。また、検討期間中連日測定したプロトロンビン時間も、セレコキシブ群とプラセボ群に差はなかった。セレコキシブはワルファリンの薬物動態および薬力学に影響しないと考えられた。(海外)
文献番号2;
<臨床研究報告>【セレコキシブによる出血の増強】
セレコキシブとワルファリンの併用による出血事故発生率を、レトロスペクティブにワルファリン単独投与時と比較した。ワルファリン療法を施行中で、2001年1月~04年4月の調査期間を通じINR>1.4の18才以上の症例をデータベースより抽出した。この中でセレコキシブ、アスピリン、アセトアミノフェンおよび他のNSAIDsを調査期間内に服用していない症例を選び、対照群とした。次いでワルファリン療法中にセレコキシブを投与した症例を選び、併用群とした。併用群は123例(男54、女69、平均61.6才)、対照群は1022例(男554、女468、平均59才)であった。併用群がワルファリンとセレコキシブに同時に曝露されていた期間は1063患者・月、対照群がワルファリンに曝露されていた期間は16520患者・月であった。入院、輸血、あるいは死亡に至った重大な出血事故は併用群で1例(1000患者・月当り0.94件)、対照群で15例(同0.9件)、全出血事故は併用群で10例(同9.4件)、対照群で116例(同7件)に発生した。対照群を1とした際の併用群の出血事故の相対リスクは、重大な出血事故で1.04、全出血事故で1.34だが、統計学的には有意差はなかった。(海外)