関節痛を起こすRS3PEについて
本日は、RS3PE(remiting sereonegative symmetrical synovitis with pitting edema)について。
1985年にMcCartyによって初めて提唱された疾患で臨床症候群となる。
臨床特徴は、
寛解性(3-36か月)・予後は良い(Remiting)
リウマトイド因子陰性(Seronegative)
対称性(Symmetric)
手背足背の圧痕性浮腫を伴う滑膜炎(Synovitis With Pitting Edema)
(JAMA.1985;254:2736-3767. Reumatol Clin.2011;7:156-60.)
発症年齢は50歳以降で、60代までがピークで、70代と80代は頻度は下がる(Ann Rheum Dis. 1995 Aug;54(8):681-4.)。
発症様式は、突然発症が多い。男性に多い(RAやPMRは女性に多い)。
(JAAPA.2010;23:38-43.)
原因不明の本態性とRAやPMRに付随することがある。
手背や足背に圧痕性浮腫(Pitting edema)を呈する(Ann Rheum Dis. 1999 Mar; 58(3): 142–147.)浮腫の多くは低アルブミン血症によるものが多い。
頸・肩・腰・大腿部などの近位筋の筋肉痛やこわばりを訴えることがある(Ann Rheum Dis. 1999 Mar; 58(3): 142–147.)。また、8%程度に悪性腫瘍の合併例があるため、RS3PEの患者では、悪性腫瘍のスクリーニングが求められる(Clinical and Experimental Rheumatology 1999; 17: 741-744.)。
少量のステロイドでも劇的に効果がある(JAAPA.2010;23:38-43.)。