背骨の骨折部位
脊椎圧迫骨折の痛みを訴える場所は、実際の骨折部位と一致するか?
Back pain from painful osteoporotic vertebral fractures: discrepancy between the actual fracture location and the location suggested by patient-reported pain or physical examination findings.
Jin H1,2, Ma X3, Liu Y1, Liu M1, Yin X1, Fan W1, Zhu J1, Zhao JH1, Chen L4, Su N4, Xie Y4, Yang J4, Liu P5.
骨粗鬆症性脊椎骨折(VF)を身体所見で位置を特定するのは、検証が不十分。
本研究は、実際の骨折部位と身体所見で推測される骨折部位もしくは患者が痛みを訴える部位が一致するのか?を検証。
対象は、最終的に358名をもとに行った。
身体所見には脊椎の打診と圧痛を用いた。
実際の骨折部位の判定にはMRIを用いた。
その結果、
20.7%は、腰痛の部位とVF部位が一致した(一致率κ=0.153)。
358名中76名(21.2%)は放散痛を示し、VF部位と一致(κ=0.924)
脊椎の触診による圧痛が陽性だったのは55.0%で、このうち49.2%はVF部位と一致(κ=0.435)。
脊椎打診が陽性だったのは23.2%で、このうち96.4%はVF部位と一致(κ=0.963)。
これより、脊椎打診が陽性の場合・放散痛がある場合のVF部位は高く一致するが、
腰痛や脊椎の圧痛は一致率が低いので、幅広く検査することが必要。
今回の報告では、脊椎の叩打痛が陽性だと高い確率で骨折部位と一致するという結果でしたが、そもそも陽性率が20%程度と低い結果でした。
本文には、打腱器を使ったのか、拳状なのか?記載がありません。
また放散痛の出現位置の詳細も書いてあるともっと良かったかなと思います。