日本人の脳卒中再発率

本日は、日本人脳卒中の再発率について

Circ J. 2020 Apr 29. doi: 10.1253/circj.CJ-20-0024. [Epub ahead of print]

Two-Year Recurrence After First-Ever Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese Patients　- The Shiga Stroke and Heart Attack Registry Study.

Takashima N^1,2, Arima H³, Kita Y^1,4, Fujii T^5,3, Tanaka-Mizuno S⁶, Shitara S⁵, Kitamura A⁷, Miura K^1,8, Nozaki K^5,8; Shiga Stroke and Heart Attack Registry Group.

 

滋賀県の住民約140万人からなる脳卒中データーベースから2年間の脳卒中再発率を調査。

再発の脳卒中の定義を、初回脳卒中から28日後以降に発生したあらゆる脳卒中とした。

 

2年間の追跡を行い、再発率を算出した。

対象者の背景；

2011年1883名が登録された。

 

初発脳卒中の分類；

Stroke.2006 Jun;37(6):1374-8.との比較をグラフ化して掲載。

統計的には分かりませんが、出血病変は減少傾向。脳梗塞は増加傾向にあるようにみえます。

また表の中で、脳梗塞の中で、ラクナ梗塞の頻度(18.4%)が低いようにも見えます。

 

2年間の再発率；

120名が再発をして、389名は再発なしの死亡が認められた。

再発のタイプ別には、脳内出血は3.8%の再発率、脳梗塞は6.8%の再発率だった。

再発には、脳内出血よりも脳梗塞の頻度の方が高く、性差はなし。

脳梗塞の中でもアテローム血栓性が高い。

J Stroke Cerebrovasc Dis. 2017 Nov;26(11):2494-2500.

では、中国の10万人の2年後再発率を調べたものでは、脳内出血が5.31%、脳梗塞8.71%だったとしているので、この報告と比べると少し低く感じます。

 

2年間での再発率としては、やはり高いのかもしれません。

再発の要因は今回は検討されていませんが、

時間経過とともに、再発率は増加傾向にあるようにみえますので、やはり初発の脳卒中発生時から再発に向けた取り組みを長い時間をかけて行っていくことが必要です。

しかし、現在の診療報酬の関係ではそれも難しい。

鍼灸師が、在宅鍼灸を行う目的の1つは再発予防です。

鍼灸を併用することでの再発率の低下の効果があるのか？をしっかりと検討したものを行うのは急務です。