脳卒中後のリハビリ
Simpson D,et.al. Unilateral dorsiflexor strengthening with mirror therapy to improve motor function after stroke: A pilot randomized study.
Physiother Res Int. 2019;e1792. doi:10.1002/pri.1792.
脳卒中後の運動機能は非麻痺側のミラセラピーで変化するか?予備的無作為化試験.
アイルランドからの報告のようだ。
この数年ぐらいで、脳卒中に関するリハビリテーションの考え方が少し変化の兆しがある。
その1つが、非麻痺側刺激(リハではクロスエデュケーションと呼ぶ)に対するリハビリテーションだ。
日本からも慢性期脳卒中に非麻痺側リハが痙縮抑制に有効であったとする報告(Cerebrovasc.Dis. 2014; 37(2):123-7.)があるが、今回の報告はミラーセラピーを非麻痺側で行うというもので、私が知っている限り、この方法は初めてだ。
対象は、慢性期脳卒中患者31人(平均年齢61.7±13.3歳)
非麻痺側ストレッチのみ行うST群(n=15)
非麻痺側ストレッチ+ミラーセラピーを行うMST群(n=16)
の2群で、非麻痺側ストレッチは、足首の背屈トレーニング週3回×4週行った。
評価は、
最大随意筋力(MVC)、10m歩行速度、タイムアップ&ゴー(TUG)、改定アシュワーススケール(MAS)、ロンドンハンディキャップスケール(LHS)を用いた。
結果、
10m歩行速度がMST群はST群に比べ有意な改善を示した。
それ以外はそこまでって感じ
予備研究だから仕方ないかもしれないけど、できれば麻痺側刺激を対照群に設定してれば、非麻痺側刺激がどの程度変化するかが分かりやすかったと思う。
ちなみに、2019年10月に大分で開催される全日本鍼灸学会九州大会で、私は一般演題にて脳卒中後遺症の非麻痺側鍼刺激の効果について発表予定です。