日本での脳卒中発生率
本日は、日本の岩手県で行われた脳卒中発生率調査についてです。
脳卒中の死亡率自体は低下傾向にあることはいくつかの報告でありますが、発生率に関してはあまり報告がありません。
Omama S, et al. Ten-year cerebrovascular disease trend occurrence by population-based stroke registry in an aging japan local prefecture. J Stroke Cerebrovasec Dis. 2019 Dec 23;104580.
高齢化した日本の地方自治体における人口ベースの脳卒中登録による10年間の脳血管疾患の発生傾向。
2008年から2017年の10年間において、岩手県の県民を対象とした後ろ向き調査を行った(Iwate Stroke Registry)。
iwate stroke registryに登録された47020件から、岩手県外の方2名が除外され、47018名について解析した。
年齢別発生率の時間的傾向を探るために、2008~2012年の前半と2013年~2017年の後半に分けて解析。
その結果、
10万人当たり脳血管疾患の年齢調整発生率は、
男性:212.1から176.8に
女性:123.1から97.0に
減少した。
脳卒中全体を経時的変化のグラフ化すると、
東北地震のあった2011年では、男性はわずかな微増・女性は変化なしのようです。
脳卒中別では、脳梗塞の減少率が高いようです。くも膜下出血はそんなに変わっていない。
55歳以上の年代が特に発生率は減少している。
病型別では、
くも膜下出血の55-64歳代の男女
脳梗塞の65-84歳男女
脳出血の55-84歳男女
が有意な低値を示した。
今後の人口変動予測値と照らしてみると、
2015年と比べ、今後も減少傾向を示すことが予測された。しかし、85歳以上は2040年でも高い発生率になりそう。
今回の報告は、岩手県なので、高齢者の割合が多いことから、場所によってはそのまま当てはまらない所もあるかと思います。
しかし、私が住んでいる宮崎県も高齢化が平均以上の県なので、近いものがあるかな?と思っているところです。
あとは、高血圧や糖尿病などとの発生率との関係もみたいところです。
もしかしたら、高血圧などとは関係なく減少しているかもしれません。
今後の報告に期待できます。