ACNESの臨床データ
本日は、腹痛の原因となるAnterior Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome (ACNES)について。
Characteristics of 1116 Consecutive Patients Diagnosed With Anterior Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome (ACNES).
前皮神経絞扼症候群(ACNES)は、肋間神経の枝である前皮神経が、腹直筋の外縁で絞扼されて起こる。
最終的にACNES患者1116名を対象に、臨床症状や身体所見などを検討。
患者背景;
年齢別では、16歳と40歳で二峰性ピークを示した。
女性が多く。
BMI平均は24だったが、多くは段階的に増加傾向にあった
増悪傾向にあった人と突然発症だった人はだいたい半々
多くは1年以上を診断までに時間を要している。
NRSがピーク時は8とかなり痛い
障害部位;本文からグラフ化して掲載
下写真の×が上からT8~T12に相当する
J Am Board Fam Med 2013;26:738–744.より引用
最大の神経障害の圧痛領域と片側性について
Th11の右側が多い。
片側性が多いが、たまに両側もある。
障害部位は、感覚鈍麻であることが約半数
障害部位をつまむと痛がるピンチサインの陽性
カーネット徴候の陽性
ブロック注射で痛みが軽減する
ことが多い。
感覚テスト;ピンチサインなど
カーネット徴候;
特に、10代や40代の女性(肥満傾向のある)の腹痛患者さん(主に片側性の感覚鈍麻など)では、
カーネット徴候を行って、陽性ならばACNESを疑う。
陰性ならば消化器系を疑う。
カーネット徴候が陽性ならば、ピンチサインや感覚テストを行う。
という大まかな流れになるかと思います。