全身からくる口の病気
本日は、全身疾患の中で口腔内の症状を起こしうる疾患について。
昔から、「口腔は全身の鏡」と呼ばれるように、口の中の異常は、全身状態を反映するとされていました。
この10年ぐらいで、不顕性肺炎予防に口腔ケアを、心疾患には虫歯治療を、などと
口腔について必要な治療を行う重要性が説かれています。
口腔内の炎症は、口内炎と判断しがちです。
口内炎で頻度が高いのは、慢性再発性アフタ(アフタ性口内炎)です。
アフタ性口内炎は、ベーチェット病やクローン病、潰瘍性大腸炎でも起こります。
頻度が高い口腔内の炎症は、褥瘡性潰瘍で義歯などから粘膜を損傷して起こります。
こうした口腔局所の疾患が全身性疾患の症状として出現することがあります。
大橋 祐生、他.全身的疾患による口腔症状.岩医大歯誌.2018;42:94-108.
取り上げられている疾患
口唇の腫脹;
肉芽腫性口唇炎
口角のびらん;
口腔カンジダ症
歯肉の腫脹;
薬剤性歯肉増殖症
口腔粘膜の水疱形成;
天疱瘡
類天疱瘡
紅斑の形成;
麻疹
多形滲出性紅斑
全身性エリテマトーデス
潰瘍の形成;
萎縮性病変;
貧血による舌炎(Plummer-Vinson 症候群,Hunter 舌炎)
シェーグレン症候群
出血;
血液疾患による出血
抗血栓薬による出血
頚部の腫脹;
結核性頚部リンパ節炎
開口障害;
その他;
Peutz-Jeghers 症候群
アジソン病