都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

しゃっくり(吃逆)への鍼

棘下筋の硬結(寺澤ポイント)への鍼施術が有効であった頑固な吃逆の2症例
 
日本東洋医学雑誌.2017;68(3):245-249.
 
2症例の報告。
薬剤や漢方などで治まらなかったしゃっくりが、棘下筋にある天宗穴の外側1寸の鍼刺激で改善したという内容。
 
天宗穴;
大紀元時報 | グローバルニュース
 
しゃっくり(吃逆)の神経経路;
求心路~舌咽神経の咽頭枝(鼻咽頭背側を支配)⇒延髄孤束核・交感神経
吃逆反射の中枢~延髄網様体視床下部などによる抑制が普段は作用
遠心路~横隔神経や迷走神経⇒横隔膜収縮や声帯閉鎖の同期
遠心路にはこの他、僧帽筋や外肋間筋、前斜角筋なども加わる。
 
乳幼児では、視床下部による抑制系が未発達による吃逆が起こりやすいので、病的なもの(二次性)は少ないが、成人例では持続する吃逆は二次性が多い。
原因として、肺疾患全般・薬剤(抗がん剤ベンゾジアゼピンステロイド、α-メチルドパ、バルビツレート)・中毒代謝性(低Ca、低Na、低K血症、尿毒症、糖尿病)、過度のアルコールや食事の摂取、熱いもしくは冷たい飲食・喫煙・中枢性(脳血管障害、脳炎髄膜炎、神経梅毒、脳動静脈奇形、脳挫傷、側頭動脈炎、多発性硬化症視神経脊髄炎)・甲状腺や縦隔腫瘍・頭頚部腫瘍などによる神経圧迫・横隔膜を刺激するような消化器疾患(胃、膵臓、肝胆道系)など
 
私は、吃逆の治療は数例しか経験がない(しかも持続性ではなく、単発性)けど、その際はよく横隔神経や舌咽神経の刺激を行っていました。
天宗穴外1寸の刺激で治まるのか?
興味があります。