都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。1日1つは論文を読んで、記録するためのブログです。

味覚障害について

本日は味覚障害について。

 

田中真琴味覚障害の診療の基本とその実践.日耳鼻.2019;122:1279-1284.

 

 

原因が多岐に渡るため、エビデンスに基づいた標準的治療はない。

 

診察では、問診⇒視診⇒血液・尿検査⇒味覚機能検査⇒その他の検査という流れが望ましいが、味覚機能検査(電気味覚検査と濾紙ディスク検査)はあまり行われていない。

 

鍼灸師も出来る問診と視診だけ抜粋

問診

一番大切なのは、患者さんが何に困っているのか?心配していることは何か?を聞くこと。

① いつから(病悩期間)
② どのような症状を自覚したのか(症状の種類)
③ きっかけはあったか(発症契機)
④ 持病の有無と常用薬・サプリメントの有無(種類・服薬期間)
⑤ ストレス・不眠の有無
⑥ 食事の習慣(回数,自炊か外食か,偏食の有無など)
⑦ そのほか(たばこの有無,飲酒量,体重の増減など)

 

視診

舌苔の有無,舌炎の有無,口腔内乾燥など口腔内の所見を確認

 

味覚障害の分類;

味覚障害は、量的味覚異常と質的味覚異常に大別。

 

味覚障害の症状
*量的味覚異常
・味覚低下 : 味がうすい
・味覚脱失 : 味が全くしない
・解離性味覚障害 : 特定の味質だけ分からない


*質的味覚異常
・自発性異常味覚 : 口の中に何もないのに苦味や塩
味などを感じる
・異味症 : 何を食べても違う味がする
・悪味症 : 何を食べてもまずい
(時に合併する症状 : 舌痛症,唾液分泌障害,嗅覚障害など)

 

障害部位での分類;

1.伝導障害~舌苔や舌炎,口腔乾燥などで,味物質が味蕾まで到達しないことで生じる.

2.末梢受容器障害~味覚の末梢受容器は,味細胞が集合した味蕾である.亜鉛の欠乏は,味蕾のターンオーバー時間の延長と形態学的異常を生じ,機能低下を起こす.亜鉛とキレートを形成する薬物の摂取や全身性疾患に伴う亜鉛の吸収障害・排泄促進などでも受容器障害が生じる.

3.神経障害~味神経は主に,顔面神経の分枝である鼓索神経(副鼻腔炎や真珠腫性中耳炎など)・大錐体神経,舌咽神経,迷走神経である.神経障害の原因として,顔面神経麻痺(舌前方2/3の味覚障害)や多発神経炎,糖尿病性ニューロパチーなどの末梢神経障害,手術(中耳手術・扁桃摘出術・喉頭微細手術など)による医原性,抗腫瘍薬などの薬物などが挙げられる

4.中枢障害~味覚を認識する一次味覚野は,弁蓋部と島皮質に存在し,眼窩前頭皮質にある二次味覚野で,嗅覚や一般体性感覚,内臓感覚の情報と統合される.さらに,前頭前野の三次味覚野に送られた情報は,味の記憶や想起といった,より高次の味覚機能に関与する.頭部外傷や脳血管障害で生じ得るが,そのほかの重篤な症状のために味覚
障害が顕在化しないことも多い.

5.心因的障害~味覚伝導路に異常がないにもかかわらず,心因的な要因で味覚障害を来すことがある.自発性異常味覚といった質的味覚異常を呈することも多く,耳鳴と類似した認知障害の関与も考えられる.

 

 

治療では、亜鉛補充療法のみがエビデンスがあるが、3-6か月の継続投与が必要で、改善しない症例もある。

 

味覚障害を主訴に施術したことないので、今のところ味覚障害に対してどうアプローチしたらいいのか?

まだ、よく分かりません。

鍼灸の適応となり得るのは、神経障害での場合ぐらい?