手が黄色に
本日は、てのひらが黄色といった訴えの時に考えること。
黄色の肌で真っ先に思い浮かぶのは、「黄疸」だと思います。
マクギーの身体診断学の本では、黄疸は眼に最初に出現するとあります。
なので、眼球結膜に黄疸所見がないか?を確認します。
認められなかった場合、カロチン血症を疑います。
参考文献;
Clin Geriatr Med. 2002 Nov;18(4):773-99. Vitamin nutrition in older adults.
N Engl J Med. 2002 Jul 18;347(3):222-3; author reply 222-3. Hypercarotenemia.
Int J Food Sci Nutr. 2011 Feb;62(1):20-5. Studies on hypercarotenemia due to excessive ingestion of carrot, pumpkin and papaw.
N Engl J Med. 2006 Oct 5;355(14):1486. Yellow palms and soles in diabetes mellitus.
JAMA. 2017 Apr 18;317(15):1574-1575. Woman With Yellow Palms and Soles.
下写真の右側が患者さんの手掌・左側が医師
N Engl J Med. 2006 Oct 5;355(14): 1486.より引用
高カロチン血症は、柑皮症とも呼ばれ、カボチャやみかんなどを大量摂取することで起こることがある。
主に手掌や足底に起きやすい。
眼球結膜は起きない。
皮膚のかゆみなどの異常はなし。
大半は器質的な異常は認めないが、2次性の高カロチン血症もある。
原因は、
1.カロチン食物の過剰摂取~みかん・かぼちゃ・海苔など
2.ビタミンAの吸収障害~神経性食思不振症・肝疾患・ネフローゼ症候群
女性の場合、特にダイエットでのビタミン障害から起こることがあるので、食事の摂取量には注意して聞きたいところです。
手や足が黄色という相談では、
眼に黄疸がないか?を確認して、
次に糖尿病や脂質異常症などの既往歴を確認。
食事の状態を丁寧に聞くこと。
が特に求められるかと思います。