まばたきを鍼灸評価に活用しましょう
まばたき回数を変動させる要因について。
Cruz AA, et al. Spontaneous eyeblink activity. Ocul Surf.2011;9(1):29-41.
岩元英輔、他.まばたきとパーキンソン病の関係.全日鍼会誌.2015;65(3):201-2.
まばたきは、瞬目反射とも呼ばれ、無意識状態でのまばたきは、脳内ドーパミン量と相関することが報告されています。
こうしたまばたきの増減に関わる要因について、
緊張や不安状態にあったりすると回数が増えることが示されています。
ただし、加齢に伴い減少傾向にあるため、純粋に何回だからパーキンソン病とは言えないこと、現在はスマホなどの環境からドライアイ患者さんも増えているため、まばたきは増加する傾向にあると思われますので、瞬きのみで評価することは難しいと思います。
いぜん、私どもは、パーキンソン病でドライアイなどのない患者さんを対象に、ヤール重症度分類別に瞬きに変化があるかを検討しております。
その結果、健常者と比べまばたきの1分間のまばたき回数と瞬目変動率では、有意差が認められました。
ドーパミン濃度の測定は行ってはいませんので分かりませんが、関連性が示唆されます。
全体としての評価に(だれかと比べること)、まばたきは使いずらいですが、同一者の変化には使用可能です。
パーキンソン病ならば、鍼灸施術1前は少なかったまばたきが、 施術後は、少しすくみ足が改善してきた。まばたきの回数は増えたから、鍼灸でドーパミンが分泌されてすくみ足が一時的にせよ改善傾向を示したのだろう。と推測することができます。
こうした評価法は、鍼灸院でも簡単に行うことができる方法です。
まだまだ調べなければいけないことはあります(まばたきが何回増えたら、改善したといえるのか?など)。
ですが、1つの評価として有用だと考えます。
こうしてみてみると、面白い評価法になるのでは?と思っています。