表情筋の拮抗関係
本日は、表情筋の特性について。
上眼瞼挙筋を動かす動眼神経を除いて、22個の表情筋は顔面神経支配になる。
これらの表情筋は、皮膚に停止する皮筋(骨格筋のような屈筋・伸筋はない)であり、骨格筋とは異なり、筋紡錘がない(もしくは少ない)。
なので、一度収縮してしまうと、伸ばさないかぎり短縮し続け、そのままにしてしまうと、短縮性筋力低下が起こるとされる。
筋力低下は、顔のたるみにつながり、短縮はしわにつながる。
なので、収縮した筋肉は、伸ばす癖をつけなければいけないと思われる。
そのためには、表情筋の拮抗関係と神経支配を押さえて考える必要がある。
例えば、額を持ち上げる前頭筋は、そのままだと額の横じわができるし、顔のSMASは額に支えられているため、SMASがたるむと、顔全体がたるんでしまうので、しっかりと伸ばしてあげることが必要で、側頭枝支配の前頭筋を伸ばすには、頬骨枝支配の眼輪筋の収縮で行うことがいい。
また、顔をすっきりしたラインにみせるには、大頬骨筋などが関係してくる。また短縮では、ほうれい線につながる筋肉。
これらは、同じ頬骨枝支配の口輪筋の収縮で伸ばすことができる。
またデコルテを構成する前頸筋も伸長される。
このように、表情筋の拮抗関係を考えた刺激方法が効率的だと思われ、美容鍼灸の効果を高めることが可能になると考えられる。