脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の炎症が起こる原因不明の皮膚疾患。
頭皮・顔面部・耳の周り・胸・脇・背中の上部に起こりやすい。
真菌が関与するとされる。
男性に多く、特に生後3ヶ月の乳幼児、10代、30-70代に起こりやすい。
脂漏性皮膚炎は、合併症として起こることがあり、それが診断の手助けになることもある。
脂漏性皮膚炎を併発しうる全身疾患;
・HIV感染(Am J Dermatopathol. 2020 May 1.)
・パーキンソン病(Med Hypotheses. 2003 Jun;60(6):907-11.)
・脳梗塞
パーキンソン病に脂漏性皮膚炎が起こる明確な機序は不明ですが、
自律神経障害に伴う皮脂腺の活発化
下肢の発汗は低下し、反対に上半身の発汗が亢進すること
無動などによる洗顔が困難になるため
免疫力の低下
仮面様顔貌により顔面部皮膚の動きが少なく、皮脂が溜まりやすい
などが挙げられている。
HIV感染も、
免疫力の低下(CD4低下)
などが関与するとされています。
脂漏性皮膚炎は、治療に何年も要することが少なくありません。
こうした全身性疾患の患者さんでは、こまめにかつ早めに対策をしておくことが重要となると思われます。