都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

爪から分かる疾患

 

Review

Am Fam Physician2012 Apr 15;85(8):779-87.

Evaluation of nail abnormalities

 
爪を観察することで、局所疾患ないしは全身疾患の予測がつくことがある。
 
 爪から分かる局所症状;
 
ジストロフィーネイル:マニキュア・噛む・こするなどの刺激が繰り返されることで起こる。こうした原因行動を中止すると改善する。
 
ロイコニキア(LEUKONYCHIA):
健康な子供などでも起こり得る。特別な治療は必要なし
 
 
縦方向のメラノニキア:
健康なものでも起こり得るが、黒色腫でも起こる。
 
爪真菌症:爪疾患の50%を占める。真菌などで起こる。人口の10%に起こる。根底に免疫低下がある場合もある。局所治療(外用剤)は効果が薄い。
 
爪囲炎(A急性・B慢性・C感染症を伴う):
爪周囲の組織への細菌侵入による炎症反応。多くは外傷が引き金で起こる。
しかし料理人などの水分と接触する機会が多い方、刺激物などでも起こる。
乾癬やライター症候群などは、再発性の場合は鑑別に挙がる。
こうした状態が6週間以上で慢性となる。
 
扁平上皮癌:
 
爪下血腫:外傷により起こることが多い。
 
全身疾患;
Beau lines:爪甲を水平に走る溝
重度の病気、化学療法、レイノー病、天疱瘡、高熱などがあると起こることがある。
 
ばち指(Clubbing):通常は全指に発生し、1つの爪だけに起こることは稀。
Schamrothサイン(B)やLovibond角度(C)
肝硬変、COPDセリアック病などの兆候で起こる。
 
スプーンネイル:鉄欠乏性貧血で起こるが乳児では正常。
 
ミーズ線:
ヒ素中毒が主、他の重金属、腎不全で起こることがある
 
Muehrckeライン:
爪甲に白い線が2つできる。
これは爪床由来で、線が遠位に移動しない。
爪甲に圧力を加えると消退する。
アルブミン血症でおこることがある。
 
巻き爪(ピンチネイル):
ベータ遮断薬の使用、乾癬、爪真菌症、爪甲の腫瘍、全身性エリテマトーデス、川崎病、および悪性腫瘍に関連
 
Splinter hemorrhage:
血管から漏出したもの。
爪甲への圧力を加えても消退しない。
心内膜炎患者の15%に認められる。
外傷、乾癬などで起こる。