Review
Am Fam Physician. 2012 Apr 15;85(8):779-87.
Evaluation of nail abnormalities
爪を観察することで、局所疾患ないしは全身疾患の予測がつくことがある。
爪から分かる局所症状;
ジストロフィーネイル:マニキュア・噛む・こするなどの刺激が繰り返されることで起こる。こうした原因行動を中止すると改善する。

ロイコニキア(LEUKONYCHIA):
健康な子供などでも起こり得る。特別な治療は必要なし

縦方向のメラノニキア:
健康なものでも起こり得るが、黒色腫でも起こる。

爪真菌症:爪疾患の50%を占める。真菌などで起こる。人口の10%に起こる。根底に免疫低下がある場合もある。局所治療(外用剤)は効果が薄い。

爪囲炎(A急性・B慢性・C感染症を伴う):
爪周囲の組織への細菌侵入による炎症反応。多くは外傷が引き金で起こる。
しかし料理人などの水分と接触する機会が多い方、刺激物などでも起こる。
乾癬やライター症候群などは、再発性の場合は鑑別に挙がる。
こうした状態が6週間以上で慢性となる。

扁平上皮癌:

爪下血腫:外傷により起こることが多い。

全身疾患;
Beau lines:爪甲を水平に走る溝
重度の病気、化学療法、レイノー病、天疱瘡、高熱などがあると起こることがある。

ばち指(Clubbing):通常は全指に発生し、1つの爪だけに起こることは稀。
Schamrothサイン(B)やLovibond角度(C)
肝硬変、COPD、セリアック病などの兆候で起こる。

スプーンネイル:鉄欠乏性貧血で起こるが乳児では正常。

ミーズ線:
ヒ素中毒が主、他の重金属、腎不全で起こることがある
Muehrckeライン:
爪甲に白い線が2つできる。
これは爪床由来で、線が遠位に移動しない。
爪甲に圧力を加えると消退する。
低アルブミン血症でおこることがある。

巻き爪(ピンチネイル):
ベータ遮断薬の使用、乾癬、爪真菌症、爪甲の腫瘍、全身性エリテマトーデス、川崎病、および悪性腫瘍に関連

Splinter hemorrhage:
血管から漏出したもの。
爪甲への圧力を加えても消退しない。
心内膜炎患者の15%に認められる。
外傷、乾癬などで起こる。
