爪白癬について
爪白癬について。
高齢者に多く、そこから蜂窩織炎に進展することがある爪白癬。
Int J Womens Dermatol. 2020 Feb 5;6(2):73-79. doi: 10.1016/j.ijwd.2020.01.006. eCollection 2020 Mar.
Nail health in women.
アメリカの皮膚医学会では、女性の99%は生涯で、何らかの爪障害を経験するとしている。そして、治療が必要なケースも少なくないとしている。
健康な爪;
爪床はピンクで、爪の先は白。
爪床は、割れていたり、壊れたり、硬くなったりしていなくて、滑らかで、光沢がある状態で正常。
手の爪と足の爪では、切り方が少し異なる。
手の爪の両端は丸みを帯びたように切るが、足の爪も同じようにすると、爪の成長を妨げてしまうことに注意。また、爪の表面にやすりをかけるのは、治療以外(巻き爪の治療でやすりをかけることはある)では不必要。
爪真菌症(爪白癬);
爪真菌症は、最も一般的な爪の病気で、爪の病気全体の50%を占める。
男性・糖尿病・高齢者・免疫抑制・末梢血管疾患・足白癬のある方はリスクが上がる。
足白癬から爪真菌症に進展するパターンや、爪切りの道具やネイルの道具から汚染されるパターンなどがあるため、道具の消毒などで予防することが必要。
治療には経口の抗真菌薬がゴールドスタンダード。
手の爪は3mm/月の成長で、足の爪は1mm/月の成長なので、治療の効果を実感するのに差が生じる。
鍼灸施術としては、
知熱灸による報告が日本から出されている。
内服治療が困難で、
外用剤による治療を行った8例と、
外用剤+灸を行った28例
の比較。
灸の部位;
爪の混濁比を4週ごとに評価した結果、
外用剤のみでは改善は1例もなく、灸を追加すると86%にやや改善以上の結果が得られた。としている。
しかし、糖尿病や末梢動脈疾患などがある場合、治療成績は低下する可能性があると指摘している。
1週間以上の間隔を空けると成績が下がるため、自宅灸を勧めるが、感覚障害や皮膚の障害が強い場合は勧めないとしている。
足のむくみ+爪白癬のある方は、蜂窩織炎のリスクがあるので、ケアが必要です。
今は自宅で自粛している方が多いと思うので、運動量も落ちて、リスクが上がっているかもしれません。そんなときにお灸は役に立つかもしれませんが、始める時には専門家に方法や注意点を聞いてから行うといいかと思います。