脊椎圧迫骨折後は静脈血栓塞栓症のハイリスク?
本日は、脊椎の圧迫骨折は静脈血栓塞栓症のリスク因子となるかを検討した報告。
Medicine (Baltimore). 2020 May;99(18):e20072. doi: 10.1097/MD.0000000000020072.
Risk of venous thromboembolism in elderly patients with vertebral compression fracture: A population-based case-control study.
症例対照試験で、
脊椎圧迫骨折(VCF)を起こした患者を、経皮的椎体形成術(PV)を行ったグループと保存的治療のみのグループに分け、5年間の追跡調査で静脈血栓塞栓症(VTE)が起きたかを調査。
その結果、
PVを行ったグループの1000人/年あたりのVTE発生率は5.77人
保存的治療を行ったグループの1000人/年あたりの発生率は4.19人
複数のモデルで調整後、両者には有意差はなし。
PVを行っても、VTEの予防にはならない。
脊椎圧迫骨折後は、安静臥床にすることでVTEのリスクが上がり、それを防ぐためにPVが行われることがあるそうだが、今回の結果では、PVによる予防効果は認められなかった。
心疾患の既往歴、高血圧の治療を受けている方がリスクは高い。