都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

馬尾症候群の身体所見精度

2020 Sep 16;2192568220948804.
 doi: 10.1177/2192568220948804. Online ahead of print.

Physical Examination Is Predictive of Cauda Equina Syndrome: MRI to Rule Out Diagnosis Is Unnecessary

 
馬尾症候群;Cauda equina syndrome (CES)
 
研究デザイン;横断的コホート研究
 
救急病院にて腰椎関連の訴えをした患者2751名から、最終的に142名が残った。
このうちCES患者は10名(平均年齢45.3±14.7歳、女性58%)だった。
 
評価には、
腰痛
膀胱直腸障害
身体所見(サドル徴候、残尿量>300㎖;PVR、海綿体反射;BCR)
などを行った。
 
CESの原因疾患;
椎間板ヘルニア90%、硬膜外膿瘍10%
 
障害レベル;
L4/5:70%
L2/3:10%
L3/4:10%
L5/S1:10%
 
膀胱直腸障害;
膀胱障害は131名(92%)が訴えた
腸障害は66名(46%)が訴えた
両方は55名(39%)認められた。
CES患者全例で膀胱障害があり、7名が腸障害もあった。
 
 
 
身体所見の精度;
 
自発的な直腸トーン、肛門周囲感覚、BCRのうち、2検査を行うと偽陰性はなかった。
 
膀胱直腸検査を行うことで、CESの見逃しは減る。
これはMRI検査を実施する必要がなくなるかもしれないとしている。
 
鍼灸師は、今回の身体所見を行うまえに、膀胱直腸障害の訴えがあった場合は、すぐに病院受診を勧めることになります。