手足症候群について
本日は、厚労省のホームページより
手足症候群について。
厚労省が医薬品の使用で発生する副作用疾患について平成17年度より予測・予防型の安全対策のために始まった事業。
その1つに2010年から手足症候群に関する項目が公開され、がん領域では最初のコンテンツとなっています。
手足症候群(Hand-foot syndrome)は、
従来より複数の名称を統合したような疾患名で、
手掌・足底発赤知覚不全症候群;Palmar-plantar erythrodysesthesia syndrome(PPES)
肢端紅斑;Acral erythema
化学療法薬誘発性肢端紅斑;Chemotherapy-induce acral erythema
手掌・足底紅斑;Palmar-plantar erythema
手足皮膚反応;Hand-foot skin reaction
と呼ばれていることもあり、昔の文献で探す際には、こうした疾患名で探すとヒットする。
手足症候群は、原因薬剤で症状が少し異なる。
化学療法薬~初期症状としては、しびれ・チクチク感・ピリピリといった感覚異常や不快感から始まり、次第にびまん性の発赤や紅斑、光沢をもつ浮腫状の皮膚、点状ないしは斑状の色素沈着が起こり、重篤化すると痛みも追加される。
薬剤を中止することで、比較的緩やかに回復する。
分子標的薬~初期から限局性に紅斑と軽度の痛みが起こり、特に加重・加圧部に強い角化を起こす。重篤化で強い痛みになる。
薬剤の中止で、比較的速やかに回復。
発生の機序については、色々な報告があるようですが、はっきりとは分かっていない。
手足症候群は、日本人を含むアジア人に高頻度で発生するとされ、
SHARP試験(欧米)において、手足症候群の発生率は21.2%
Asia-pacific試験(アジア人対象)では、45.0%の発生率
日本人を対象にした臨床試験では、55.0%の発生率
とされています。
手足症候群の発生は、薬剤使用から1ヶ月以内に起こることがほとんど。