群発頭痛の鍼治療で使う経穴は?
本日は、鍼治療の報告を。
先日、当院に頭痛を訴える患者さんが来られました。
眼の奥が絞られるように痛くて、20代の頃からある(現在40代)。
嘔吐すると症状が軽くなる。
閃輝暗点などの前兆症状はなし。
暗いところでじっとしていても治まらない。
肩こりや首コリが強くなると出現することが多い。
などの訴えがありました。
私は、三叉神経・自律神経性頭痛の可能性が高いと判断しました。その他頚椎性の頭痛や片頭痛の可能性も念頭に置きながら、鍼施術を実施しました。
三叉神経・自立神経性頭痛のサブタイプには群発頭痛・発作性片側頭痛・短時間持続性片側神経痛様頭痛発作・持続性片側頭痛があり、このうち群発頭痛に関する鍼治療の報告を探してみました。
群発頭痛は、有病率0.07-0.09%で、男女比は3：1とされ、発症年齢は20歳代から40歳に多い。
一側の眼窩、眼窩周囲および側頭部に激しい痛みが出現。
発作時間は15分から180分。
流涙、結膜充血、鼻閉、鼻汁、前額と顔面の発汗、縮瞳、眼瞼下垂、眼瞼浮腫などの自律神経症状を伴う。
概日リズムと概年リズム(2月・6月が多く、8月11月は少ない傾向)を有する人が多い。
Hayhoe S. Acupuncture for episodic cluster headache: a trigeminal approach. BMJ Case Rep. 2015 Sep 10;2015.
群発頭痛に対する鍼治療．三叉神経アプローチ．
Fofi L, et al. Acupuncture in cluster headache: four cases and review of the literature. Neurol Sci. 2014 May;35 Suppl 1:195-8.
群発頭痛の鍼治療：4症例と文献レビュー．
イギリスでは、片頭痛や緊張型頭痛に関して、費用対効果も高く推奨できるとされている。
しかし群発頭痛に関しては推奨はされず、期待できるという程度。
群発頭痛は、三叉神経の関与が示唆されており、三叉神経刺激が有用と推測される。
群発頭痛の1例に鍼治療を実施。
使用経穴：
別の報告では、群発頭痛4症例に対して、鍼治療を実施。
使用経穴：
得気が得られる刺激。
2報告における合計5症例は、群発頭痛の発作改善に鍼治療が有効だった。
三叉神経の刺激は、確かに群発頭痛に有用かと思います。
群発頭痛は、一次性頭痛の中では頻度は低いうえに報告数も多くはないので、片頭痛などに比べどんな方法が有効なのかは不明な点もあります。三叉神経の刺激に全身施術という基本スタイルから、応用を考えていないといけないなと感じます。
