都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

65歳以上になってからの頭痛

本日は頭痛に関する発生率調査の報告

 

M.Ruiz,et.al. Headache in the elderly: a series of 262 patints. Neurologia. 2014; 29(6): 321-326.

 

65歳以上では頭痛の罹病率は低下する。しかしそれでも頭痛は一般的な症状の1つでありある。

方法は2008年~2013年までに三次病院で頭痛患者として治療された1868人のうち、65歳以上であった262人が対象

性別:女性189人、男性73人

262人中99人が75歳以上

262人中136人は65歳以降に頭痛が発生

 

262人の頭痛を分類(ICHD-2分類) 混合性頭痛も含め362頭痛

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1.片頭痛 2.緊張型頭痛 3.群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛 4.その他1次性頭痛 

5.頭部外傷性頭痛 6.頭頚部血管障害による頭痛 7.非血管性頭蓋内疾患による頭痛  8.薬物性頭痛 9.感染症による頭痛 10.ホメオスターシスの障害による頭痛 11.頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口などの障害による頭痛 12.精神疾患による頭痛 13.頭部神経痛および中枢性顔面痛 14.その他 Apx.付録?

 

最も多いのは、緊張型頭痛、次いで片頭痛、3番目が薬物乱用性頭痛または離脱性頭痛

となっている。

 

これを、65歳以前に発生した頭痛と65歳以降に発生した頭痛で分けてみると

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65歳以前からの頭痛は、圧倒的に片頭痛が多い。

しかし、65歳以降になると片頭痛の発生率は下がり、緊張型頭痛が増える傾向にあるようだ。

 

65歳-75歳の頭痛と75歳以降の頭痛で分けると、

 

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片頭痛はさらに下がり、緊張型頭痛が上がる。

 

頭痛患者さんには、「いつから頭痛が始まった?」は、間違いなく問診される。

その際に65歳以降、もしくは75歳以降となった場合、片頭痛の可能性は下がり、緊張型頭痛の可能性が上がる。

 

こうした報告は、以前からいくつかもの報告で散見されるが、比較的最近でも同様の傾向があるようだ。