妊娠初期はいろんなことが心配になる
本日は、妊娠初期に起こる身体的変化についての報告です。
気になるんだけど、産婦人科の先生に聞けないなどの悩みもあるようです。
鍼灸師の先生がたが、こうした妊娠初期の方を診る機会があれば、こうした症状はないか?などを聞いて、安心して出産に臨んでいただくきっかけになるかもしれません。
Lutterodt MC, et al. Examining to what extent pregnancy-related physical symptoms wprry women in the first trimester of pregnancy: a cross-sectional study in general practice. BJGP Open. 2019 Nov 12. pii: bigpopen19X101674.
駒田陽子、他.妊婦の睡眠習慣と睡眠健康に関する横断的探索的研究.日本女性心身医学会雑誌.2002;7(1):87-94.
16-45歳の1508人を対象に妊娠関連の症状の有無と心配度についての関連を調査。
アンケートによる回答で、回答1455人が最終的な人数。
症状なし・軽度・中等度・重度別に各症状の割合を比較
症状としては、吐き気が多い。次いで骨盤内痛。
軽度では、骨盤内痛>吐き気>腰痛
中等度と重度では、吐き気が多く、その他は同じぐらい。
88%が複数の症状を有した。
本文からグラフ化して掲載
それぞれの症状と心配の関連
吐き気を心配するのは、21%、嘔吐が心配:約30%、これらは初産者に特に多い。
35歳以上の方は骨盤痛・骨盤内痛、静脈瘤、足のけいれん/こむら返りが特に心配
初産者と比べて、妊娠経験者は腰痛や静脈瘤、かゆみ、足のけいれん/こむら返りが心配
また、妊娠初期とは限らないようですが、睡眠障害もあるようです。
妊娠随伴性睡眠障害は、妊娠中に生じる不眠あるいは過眠を指す。
一般的に過眠で始まり、重度の不眠に進展する。
妊婦364名(平均年齢29.7±4.2歳)と非妊婦194名(34.0±4.2歳)が対象。
妊婦の内訳
妊娠初期(16週未満):89名
妊娠中期(16~28週未満):100名
妊娠後期(28週以降):175名
睡眠障害の種類
睡眠維持障害関連
パラソムニア;睡眠随伴症関連
起床困難性関連
入眠障害関連
就寝時間と起床時間の比較
就寝時間は、4群間で差はなし。
起床時間は、非妊婦に比べて遅延。
睡眠時間も非妊婦に比べて延長。
健康関連の比較
妊娠初期より睡眠維持障害関連が有意に増加。
入眠障害関連は、中期以降に増加。
むずむず足症候群や周期性四肢運動障害の割合は妊娠中期で約9%
こむら返りは、上記の報告の割合と比べると多い傾向。
歯ぎしりは妊娠初期に多い。
睡眠障害は、妊娠悪阻が重度の人ほど起こりやすい。
このように、妊娠初期でなおかつ初産の方にとって、吐き気や嘔吐、骨盤痛、睡眠障害(睡眠維持)などが特に気になる傾向にあるようです。
ですので、ここらへんを最初は重点的に質問すると効率的かもしれません。