自然気胸について
本日は、自然気胸について。
最近の文献は見つけられず、古いのばかりですが。
以前は月経関連の気胸について書いています。
「月経随伴性気胸」
https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/08/30/082310
笹野進、他.自然気胸163症例(182回治療)の臨床的検討.日臨外医会誌.1994;55(2):309-312.
原発性(原因不明)と続発性(原因あり)の自然気胸があり、特発性は比較的予後は良好。続発性の原因疾患で多いのは肺気腫。
1987年7月~1992年10月までの間の特発性自然気胸患者163症例。初発・再発含む。
内訳;
男性:145症例(87%)、女性18例(13%)
年齢(発症182回):10~30歳代で85%を占める。
患側:どちらでもあり得る。ごくまれに両側。
季節性:春から夏にかけて多い傾向。特に6月と9月に多い。
再発例も結構ある。
野村利夫、他.自然気胸136症例における再発、成因および分類に対する検討.日胸疾会誌.1973;11(10):598-604.
昭和40年1月~昭和47年9月に入院した自然気胸115人の136症例。
単発群88症例
再発群48症例
年齢;10~20歳代で80%を占める。
単発性の男性80名、女性8名
再発性の男性24名、女性3名
患側;
誘因;
季節性、自国、状況、broca指数(体格)では、単発例と再発例で差はなし(Fig2)。
自覚症状;
胸痛が最も多く、呼吸困難や咳嗽も多いが、自覚症状なしも7%ある。
気を付けないといけないのは、肩や腰の痛みが7%と5%あること。
この場合の痛みは、どんな痛みなのか?を知っておくと鑑別に役立つかもしれません。
こうした報告から、10-20歳代のやせ型男性に多く、胸痛を訴えることが多い(自覚症状なしがあることに注意)。
時期的には春~夏に多い傾向。朝に発症するケースが多い。
患側は半々程度で、まれに両側性。
再発率は約2割程度(反対側にでることが多い)。しかし、再再発は4割弱となる。
といった感じでしょうか?