都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

自然気胸について

本日は、自然気胸について。

最近の文献は見つけられず、古いのばかりですが。

 

以前は月経関連の気胸について書いています。

「月経随伴性気胸

https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/08/30/082310

 

笹野進、他.自然気胸163症例(182回治療)の臨床的検討.日臨外医会誌.1994;55(2):309-312.

 

原発性(原因不明)と続発性(原因あり)の自然気胸があり、特発性は比較的予後は良好。続発性の原因疾患で多いのは肺気腫

 

1987年7月~1992年10月までの間の特発性自然気胸患者163症例。初発・再発含む。

内訳;

男性:145症例(87%)、女性18例(13%)

年齢(発症182回):10~30歳代で85%を占める。

f:id:ararepyon:20191206090214p:plain

患側:どちらでもあり得る。ごくまれに両側。

f:id:ararepyon:20191206090441p:plain

季節性:春から夏にかけて多い傾向。特に6月と9月に多い

f:id:ararepyon:20191206084114p:plain

再発例も結構ある。 

 

野村利夫、他.自然気胸136症例における再発、成因および分類に対する検討.日胸疾会誌.1973;11(10):598-604.

 

昭和40年1月~昭和47年9月に入院した自然気胸115人の136症例。

単発群88症例

再発群48症例

 

年齢;10~20歳代で80%を占める。

f:id:ararepyon:20191206084214p:plain

単発性の男性80名、女性8名

再発性の男性24名、女性3名

 

患側;

f:id:ararepyon:20191206084304p:plain

誘因;

季節性、自国、状況、broca指数(体格)では、単発例と再発例で差はなし(Fig2)。

 

自覚症状;

f:id:ararepyon:20191206084327p:plain

胸痛が最も多く、呼吸困難や咳嗽も多いが、自覚症状なしも7%ある。

気を付けないといけないのは、肩や腰の痛みが7%と5%あること。

この場合の痛みは、どんな痛みなのか?を知っておくと鑑別に役立つかもしれません。

 

こうした報告から、10-20歳代のやせ型男性に多く、胸痛を訴えることが多い(自覚症状なしがあることに注意)。

時期的には春~夏に多い傾向。朝に発症するケースが多い。

患側は半々程度で、まれに両側性。

再発率は約2割程度(反対側にでることが多い)。しかし、再再発は4割弱となる。

といった感じでしょうか?