ベル麻痺について
昨日は、中枢性と末梢性の違いについて書きました。
本日は、末梢性顔面神経麻痺で最も多い、ベル麻痺についての報告です。
Zhao H, et al. Bell's Palsy: Clinical analysis of 372 cases and review of related literature. Eur Neurol. 2017;77(3-4): 168-172.
372例の症例の性別・年齢・職業・臨床症状・併存疾患・再発率などを調べたものです。
年齢と性別の発生率(本文のグラフを改変して掲載)
男女ともに40歳代でピークを迎え、男性の方がやや発生率は高い傾向にある。
職業~自営業と公務員で約6割
随伴症状と既往歴~耳介部の後ろが痛くなる人が約半数
発生月~8月から11月にかけてで約半分
経過~症状完成までの日数
41%が0-1日で完成。
重症度分類~House-Brackmann scale(HB grade)
再発率~再発した人のうち、約半数が1.5年以内
特に、症状完成までの日数は患者さんに伝えておかないといけません。
例えば、発生から2日ほど経過して来られても、まだ固定化していないことがあり、その場合、マッサージや鍼灸をしたから悪くなったと思われかねません。
私の場合、7日ほどは症状が変動する可能性があることを伝えています。
再発率は低いですが、まれに再発することがあることも伝えています。