1例報告の書き方
本日は、1例報告の論文を書くときに参考となるものです。
ランダム化比較試験(RCT)がエビデンスレベルが高くて価値があるけど、1例報告はエビデンスレベルも低くて価値が低い。
そんな風潮がありますが、
多数例の症例報告もRCTも症例の積み重ねであり、1例をないがしろにしてエビデンスは構築されません。
確かに1例の報告だけで、外的妥当性があるとは言えませんが、貴重な報告であることに変わりはありません。
RCTは無理でも、1例報告ならば開業鍼灸師にも書けると思います。
私も現在、1例報告を書いていまして、その書き方の参考としています。
形井秀一.1例報告論文の書き方.全日本鍼灸学会雑誌.2002;52(4):446-452.
文章の構造化
1.はじめに(緒言)
2.症例(対象と方法)
3.経過(結果)
4.考察
5.結論
6.文献
の6項目で構成されることが多い。
この中で、他の報告の形式と異なり、1例報告の特徴となるのは症例である。
症例の項目で書きたい基本項目
を基本に症例に合わせて適宜変更する。
この中で、個人的に書き方で重要なのは、
現病歴、現症と思っています。
私はよく、現病歴の経過を書く際に、客観的事象について書いたり、現症に主観的事象を書いたりで、査読者の先生に指摘を受けます。
なので、注意しながら書いています。
また、考察に入るべき主観的意見が治療経過に混ざらないようにすることも大切です。
論文の書き方は、独特の書き方があります。
これは、万人に理解を得るための書き方なので、新聞や雑誌、SNSなどのように自由に好きなように表現していいわけではないので、論文を書いたことがない方にはハードルが高く感じるかもしれません。
そんな方には、この報告は一読の価値があると思います。
また論文を書いたことがある先生も一度読まれると、新たな発見があるかもしれません。